以前の記事でも紹介しましたが、私はスノーボード中にインカムを使用して友人たちと会話しています。
以前はフリードコンのT-COM SCを使用していましたが、昨年末から1号機にノイズが入るようになり、2号機をメインで使用していましたため、シーズンはインカムを更新しようとバイクツーリングが趣味のインカムオタクの友人に相談したところ、勧められたのがこちらでした。
ちなみに友人からは「本来であれば2~30,000円出してB+COM製品を買うのがオススメ(ビーコムトークを除く)!」ということでしたが、そこまでの性能は求めないので「格安新品で買えるものでオナシャス!」と言う縛りで考えてもらった結果、こちらの製品の購入に至りました。
それでは早速レビューしていきます。
TNICER T4X スペック
- 最大8人まで同時通話可能
- 最大通話距離1000m
見通しで300m程度しか試していませんが、この程度の距離なら問題なし。山の中の見通しがきかない距離で100m程度は会話可能でした。
- バッテリー容量1000mAh
これにより、待機時間600時間。連続通話可能時間40時間という超長時間の運用が可能です。
実際に友人と使用し、三時間程度つなぎっぱの状態でしようしましたが、電池は充分に持ちました。なので、電池の持ちについては私の使用環境だと限界が計れない感じです。
また、一週間車の中で電源をつけっぱなしにしてしまい、いざ使おうと思ったら電源が入っていた事がありました。その際も「バッテリーの残量は50%以下です」とのアナウンスが流れ、3時間程度使用してバッテリー切れを起こさず使えたので、バッテリー容量はかなり余裕がある体感です。
- 防水防塵機能:IP67
IP〇〇は防水防塵性能を示す規格です。
防塵性能は 6等級と最高レベル。これは粉塵が内部に侵入しない完全防塵を意味します。防水性能は 7等級(8等級が最高)。水深1mの水中に30分間浸しても有害な影響を受けないとされています。これにより、雨や水しぶき、偶発的な水没にも耐えられます。つまり、スキーやスノボ、バイクツーリングで使うなら充分だよ!ってくらいの性能ってことです。
- 他社製Bluetoothインカムとの接続と通話が可能
これが今回この製品を購入した理由の一つ。私が以前使用していたフリードコンのT-COM SCと接続できそう。ってことで購入したのですが、結果から言うと問題なく接続・通話が可能でした!
友人のヘルメットにT4Xのもう一機がついているため、まだ2機種3体での接続・通話が試せていませんが、経験上これならいけるはず!また接続テストができたら追記していきます!
- FMラジオ機能
FMの受信なんかもできるみたいですが、リフト上では主にスマホの音楽を聞いているのでこちらは一回も使ってません。人によっては便利な機能かもしれません。
- 音声アシスタント対応
SiriとかOK Googleとか使えるってやつですね。使ってません。
- 自動応答機能
ケータイの着信に自動応答する機能。とりあえず切ってます。
- ラストナンバーリダイヤル機能
ケータイで一番最後にかけた番号にリダイヤルする機能。ゲレンデや登山口の駐車場に着いたら、もう一機を持ってる友人にワンコールするようにしています。これにより、インカムの通信範囲外でもワンボタンで友人に電話ができるので万一の際の連絡手段が一つ増やせます。
- 集音マイクによる環境音受信機能
これはおまけ的な機能ですが、マイクで拾った外部音をスピーカーで出力する機能で、ちょっとした補聴器的なやつでした。人によっては便利かも。
- 40mm口径のチューニングスピーカー搭載
- ENCノイズキャンセル技術搭載
- Qualcomm製Bluetooth 5.2デュアルチップ搭載
- スマートDSPオーディオ処理
- CVC第12世代ノイズリダクション処理
- 16K音声帯域幅伝送速度
- 音楽通話同時機能
- 音楽共有機能
- 移動速度100km/h以下の音声通信に対応
とまあ盛りだくさんの機能説明です笑。
要は「とりあえず最近のインカムに求められる性能はほぼ網羅してますよ!」ってことです(適当)!
TNICERとは?
TNICERって聞き慣れない会社だったので少し調べてみましたが、全然情報出てこない!インカムの案件動画でT4Xを紹介していたYoutuberさんは「ティーネイサー」って読んでました。一応技適番号は付いてますんでここから調べてみましょう。
総務省のページで技適番号®214-230124を検索したところ、このページに辿り着きました。どうやらAplusXという会社(HPの文字がハングルでしたのでおそらく韓国の会社?)がこの技適認証(第2条第19号に規定する特定無線設備)を取得しているようなんですが、取得している製品の型番にT4Xの記載が無いんですよね?なんででしょ?形式欄にあった『Pulsar Gaming Gears』という会社を調べてみましたが、どうやらゲームングマウスやキーボードを制作販売している会社のようで、ここからインカムにたどり着くことはできませんでした。
製品の入っていた箱の裏面にFacebookとTikTokのアドレスがありましたので確認してみました。
FBのページに「Togerther Nicer Limited」って表記がありましたので、どうやらこいつがTNICERの会社名の由来らしい。インスタでも調べてみましたがこちらは投稿数1件とまるでやる気が感じられない笑。うん、どうやらTikTokによる広報がメインのようですね。うーん中華っぽい笑。しかし、このやる気のないインスタに貼ってあったリンクでやっとTNICERのホームページにたどり着くことができました!
それによると正式名称は特奈思国际有限公司(テナシインターナショナル)という会社のようです。会社の住所は中国の香港特別行政区にあり、会社の登記は2022年の3月です。この会社が海外で販売を行う際、TOGETHER NICER LIMITED(略してTNICER)を社名(というかブランド名?)として使用しているようです。うーんなんとなく理解できたが、技適の認証を取っていたAplusXやPulsar Gaming Gearsとはどんな関係性があるんだろう・・・?
まぁ素人が調べるのはここら辺が切りが良い。とりあえずしっかり中華製品ってことがわかりましたね笑!
開封!
無駄に箱が豪華です。過剰包装気味でかえって開封しづらい笑
中にはインカムが二台入っています。
マイクはアームタイプと薄型タイプの2種類が用意されており、様々なタイプのヘルメットに対応できるよう設計されています。
フルフェイスでもジェットヘルメットでも装着可能になっていますが今回のヘルメットは耳当て(イヤーマフ)がありますのでこちらにスピーカーとハードマイクを設置していきます。
内容
- 本体
- ヘッドセットユニット(イヤースピーカー、マイク)
- 取扱説明書(日本語)
- 充電用USBケーブル(タイプC)
- ヘルメット用マウントグッズ沢山。
説明書内容
取り付け
1.ヘルメットの左側頭部側に取り付けて行きますので、取り付け部分の脱脂をします。
2.ヘルメット側頭部にインカムのマウントを貼り付ける。
マウントの取り付け方法はいくつかの方法がありますが、今回はヘルメット側面に貼り付ける方法にしました。3M製の超強力粘着テープが付属していますので、こちらを使用して貼り付けます。貼り付けたら1分程度強く押さえつけ、しっかり接着させましょう。
3.マウントが貼り付いたらT4X本体を取り付けていきます。
取り付けは簡単。上からスライドしてはめるだけ。かなり強力に取り付けることができます。
4.次にスピーカーとマイク部分を取り付けていきます。
私が使用しているANONのヘローはオーディオアクセサリー対応で、イヤーマフ部分にスピーカーを取り付けられるようなっていますので、こちらを利用してスピーカー及びマイクを取り付けていきます。
イヤーマフを外して中の耳当て部分を開けると厚さ5mm×直径4センチほどのスポンジを外す事ができます、このスポンジを外したスペースにスピーカーを仕込んでいきます。
左右のイヤーマフのクッションは、後頭部に回り込むように一体になっていますので、このクッション内部にコードを仕込んでいきます。
アームマイクを出すための穴は開いていませんので、イヤーパッドの縫製を一部解いて、イヤーパッドの内外を交通させます。交通させた穴からマイクを外に引き出し、マジックテープでイヤーパッド内部に固定します。
これだけだと固定力が弱いので、ヘルメットのアジャスター部分に輪ゴムでアームマイクを固定した上、マジックテープでいい感じにまとめました。
とりあえずこんな形でまとまりました。
完成!ゴーグルを装着するとこんな感じ。まぁいい感じに取り付けられました。
良い点
・普通に会話できる
とりあえず友人のヘルメットにも装着してペアリングは問題なし。二人間の会話は何の問題もなく行えます。
嬉しかったのが、以前使用していたフリードコンのT-COM SCともペアリングができ、こちらでも会話ができたこと。Kさん(インカムオタクの友人)!その節はありがとうございました!
・音質がいい
あくまで「インカムのスピーカーにしては」って話なんですが、以外にも音質が良くて驚きました。リフトに乗っている最中くらいしか音出してないんですが、以前使用していたT-COM SCよりも音質が良い感じです。
イマイチな点
・操作感がちょい悪
フリードコムに比べるとボタンの数が多い割にUIが洗練されておらず、はっきり言ってT-COM SCより操作はしにくいです。
ロータリーホイールが無いので、音量の上げ下げや、曲を飛ばすなどの操作が直感的にやりにくいのと、ボタン自体が小さいので、グローブしたままだと押しにくいってのがイマイチです。まぁ、慣れればそのうち気にならなくなるでしょう。
・インカム通話の音質がイマイチ
さっき「音質がいい」って言ってたろ!って言われそうですが、インカム通話の音質はイマイチです。ノイズキャンセリング機能の悪影響だと思うんですが、喋りだしの音が少し切れるんですよね。あと、T-COM SCに付属していたマイクより明らかにアームマイクの質感がちゃちいんですよね。そのせいかも?これに関してはまぁ許容範囲なので取り合えず我慢です。体感的にはT-COM SCよりもインカムでの通話品質が悪い感じ。
・製品自体の品質が微妙
ちなみに二台入っていた内の一台が環境音取り込み機能の設定を行うと「ピ~~~~!!」という明らかに怪しげな音とともに電源が切れるという故障がありました。
アマゾンで購入したため、カスタマーサポートから販売者に連絡をしたところ、速攻で新しい機種を送ってきました。
多少の不良品は折り込み済みなんでしょうね。こういうところも中華っぽいですが、まぁサポートとしては合格点。ちなみに故障しているものは特に返品等なくそのまま好きにして。って感じでした。こちらは環境音の取り込み以外は普通に使えそうなので、余っているヘルメットに装着してレンタル用にしたいと思います。
総評
結論「安いけど普通に使えるインカム」って感じですね。アマゾンのレビューを見ると私と同様に初期不良で交換してもらった人が多数ヒットしますので、初期不良をある程度折り込み済みなんでしょうね。いかにも大陸製らしい製品です。納得のアマゾンレビュー☆3.6笑!
おまけ
この記事を読んで、ヘルメットにインカムを取り付けようと思われた方で、ヘルメットを持っていない方に対してのアドバイスなんですが、ヘルメットを買う際には、「耳当て内にスピーカー入れられる機能」が付いたヘルメットを購入するのを強くオススメします。私はANON( アノン)の HELO(ヘロー)を使用していますが、この製品でいうと、「オーディオアクセサリー対応」という機能がそれに当たります。以前の記事で装着していたのがGIRO(ジロ)のNINE.10ASIAN FITですが、この頃のGIROのヘルメットには「GIROオーディオシステム対応」との表記が入っていました。
イヤーパッドが袋状に形成されていて、内部に薄型スピーカーを入れやすい構造になっているって事です。イヤーパッドが袋状になっていなくても、ベルクロで直接貼り付けるとか、縫製を解いて自分で内蔵してまた縫い閉じるとか色々方法はありますが、結構手間ですので、ヘルメット購入時に念頭に置いておくと良いかもしれません。
コメント