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ワークマンのサーモライトエコモードがメッチャ優秀な件

ギア
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ワークマンでめっちゃいい感じの化繊インサレーションを発見したのでレビューしていきます。

そもそも化繊インサレーションとは?

「ふわふわ」なのに「スケスケ」で、保温性通気性という相反した性能をバランス良く両立した「暑すぎないフリース製中間着」です。この「暑すぎない」というのがこのウェアの肝で、暑すぎないので行動中に着続けられるという特性があります。

数年前から同様の製品は出ていましたが、ポ-ラテックのアルファダイレクトやテイジンのオクタなどの生地の開発によって確固たる地位が築かれたカテゴリーです。

今回、ワークマンで発見した化繊インサレーションは、インビスタ社の100%リサイクルポリエステル「THERMOLITE ® EcoMadeサーモライトエコメイド)」 を使用した『サーモライトエコモード』という商品になります(ややこしい)。

スペック

各社様々な素材を使用し似た製品を製造していますので、代表的なブランドの競合製品をピックアップして図にまとめてみました。ブランドによっては行動中にも着続けられる事から、「アクティブインサレーション」と呼称していますね。

ブランドワークマンpatagoniaSTATIC(スタティック)senchi designs山と道
商品名THERMO LITE®
エコモード
サーマルクルーネック
Men’s
R1® Air Crew
ADRIFT CREWALPHA 60 CREWNECKAlpha Vest
素材INVISTA
THERMOLITE ®
EcoMade

※100%リサイクルポリエステル
5.7オンス・リサイクルポリエステル
ジャカードフリース
※100%リサイクルポリエステル
フェアトレード・サーティファイド縫製
TEIJIN
Octa®CPCP®

※53.6%リサイクルポリエステル
Polartec
Alpha Direct

※78%リサイクルポリエステル
Front: Polartec Alpha Direct
(100% Polyester) 136g/㎡
Back: Shadow Rip
(100% Polyester)56g/m²
重量
(Mサイズ)
126g230g
※これだけSサイズ
110 g3.4 oz
(96.4g)
77g
価格(税込み)¥1260!¥14,300¥12,100公式HPでは$70.00
(¥10500+送料)※
※2023/10/24のレートで
小売だと大体2万弱
¥7,700
製造国カンボジアスリランカ日本米国日本

この表を見ても競合製品とほぼほぼ同じくらいの重量比となっているのがわかると思います。

こう見るとパタのR1結構重いんですね。5.7オンス・リサイクルポリエステルの単位がよく理解できないんですが、「5.7オンス/m」だった場合、5.7オンス=162g/mになるので、Polartec Alpha Directの136g/㎡よりもすこし重い生地で作られている感じかな?だとするとまー大体計算が合いそう。

R1は重い分だけ保温性能は上がるでしょうから即欠点というわけではありません。あくまでも「想定している使用環境が異なる」というだけ。厳冬期のBCではR1(フーディー)を着ていった方が快適な場面が多いかもしれません。

比較検討用に夏山でいつも着ているmont-bellのウィックロンT「剱岳」Mサイズの重さを測ってみましたが、こちらは136gありました。

ポリエステルの半袖化繊Tシャツよりも軽いってどうゆう事⁉︎って驚きました。しかもロングスリーブなのに!

まさかのウィックロンT超えの軽さ!!

良い点

メッチャ軽くてふわっふわ

  • 他社のインシュレーションウェアと同様、程よく保温するのに汗抜けがよく快適な着心地。スケスケの生地なので、風が吹く稜線上ではウィンドシェル必須ですが、ウィンドシェルのフロントジップの上げ下げで簡単に体温調整ができるのでずっと着続けていられます。また、ウェアの調整のためのザックの上げ下ろしは意外と煩わしいもの。いちいちザックを降りしたりせず快適に山行ができます。
  • 126グラムと軽量なため、躊躇せず山に持っていくことができます。夏場の登山においてもお守りがわりに持っていくのも良い使い方だと思います。
Mサイズで126gとめちゃくちゃ軽い!!
こんな感じでスッケスケの生地感

1280円と言う激安プライス!

  • 1280円という価格はちょっとほかのブランドとは比較にならないコスパです。これはまさしくワークマンの面目躍如。しかし、安かろう悪かろうではなく、有名繊維メーカーのブランド生地を使用して、少なくともスペック上は他社の製品と遜色ないスペックを再現しています。それなのに値段は他社の10分の1程度ですからこれはバーゲンプライスだと思います。
ちなみにサーモライトエコメイドもオクタなどと同様中空構造になっています。オクタみたいなイガイガはありませんが。
引用:https://www.lycra.com/en/business/search-technologies/thermolite-ecomade-technology

環境性能

  • 100%リサイクルポリエステルを使用し、環境負荷の軽減を図っている企業姿勢。
  • 個人的にはSDGsとかESGとかのサステナビリティ「持続可能性」テーマは、欧米企業のご都合主義なのでは?なんて考えていますが、ワークマンほどの大企業になると、環境に対する社会的責任も求められる時代です。その点からも「全方位的にツッコミどころのないプロダクト」だなぁと言う印象。
  • リサイクルポリエステルを含めたリサイクル製品が実際に環境負荷の軽減につながるかどうかは、様々な視点」から考えていく必要があるでしょう。また別問題として、今後はマイクロプラスティック問題への対応も必要になってくるかもしれません。なかなかめんどくさい時代ですね。オクタについては、このマイクロプラスティック問題を念頭に開発された経緯もあるようで『世界の課題に新しいソリューションを』的な記事で紹介されていますが、編み込むことでマイクロプラスチック問題を回避しているようです。さすがテイジン、日本の誇る繊維企業ですね。サーモライトエコメイドはパイル状になっているように見えますので、表面はカットして仕上げているのかもしれませんね。調べてもわかりませんでした。詳しい人は教えてください。
拡大するとこんな感じ。編んである構造が見えるが表面のふわふわのパイル部分はどのように作っているのか?
  • ちなみにアドリフトで使われているTEIJINOcta®CPCP®のリサイクルポリエステル使用量は58%とのこと。そこは100%じゃないんかい笑。

イマイチな点

縫製の精度はそこそこ

袖はパイピング処理されていますがやや雑な縫製の印象。気になったので自分で出ている糸を切ってきれいにしてみました。

結構糸くずが出ていて処理が荒い印象。
出てる糸を切ってきれいにしてみた。

やぶこぎなどのハードな使用方法だとすぐに痛みそう。

  • ふわふわスケスケの生地のため、藪こぎや岩稜帯で使用すると、あっという間に痛みそうです。まー、こいつは1280円と言う激安プライスのため、痛んだら買い換えるという運用が可能なので、逆にハードな運用に向いているかもしれない。ボロくなっても山でなら着ちゃえますしね。ここは逆に「藪こぎなどでもガンガン使える」メリットになっていると思います。

ひっつき虫が良くくっつく

  • 外側は、ふわふわのフリースパイル生地のため、秋などにはオナモミやセンダングサなどのひっつき虫が良くくっつきます。そして取れにくいです。地味に一番のデメリットかもしれません。

ネーミングが悪い

  • サーモライトエコメイド®が商標登録されているため、全く同じ名前をつけられない事情は理解できますが、サーモライトエコ「モード」と言うネーミングはいかがなものか?相当にマニアックな人しかネーミングから性能を推し量る事は不可能でしょうし、名前からどんな製品なのかが全く伝わってきません
  • むしろ、以前同じような商品で採用していた『かるふわ』等分かりやすいネーミングを付けるとか、→アクシーズクインでも使ってますね・・・。もっと性能を単純に表した表記、例えばU.Lインサレーション(クルーネック)とかもうちょっとターゲット層の消費者に対して、訴求力のあるネーミング、例えばアド(付与する)ベント(換気)ライナーとか色んな意味で攻めたネーミング(おい)にするなどが考えられると思うのですがどうなんでしょう?

クルーネックしかない

  • ベストやフーディーなどのパターンがあればさらに対応の幅が広がるのになー、と感じました。ポケットが無いのもちょっとマイナスポイント。軽量性とバーターの関係なので悩ましいところですが。

要望

ポケットがほしい

この製品、ポケットが無いんです。なのでカンガルーポケット付いてたらかなり便利でしょうね。行動食とか放り込んでおくのにちょうど良いし。ここ最近のユルめのリラックス登山スタイルにも合うんじゃないかなー。

サムホールがほしい

寒い時期にあると地味に嬉しいサムホール(袖から親指を出して簡易的に手を保温できる穴)。重量増もほとんど無いでしょうから作ってもらえると嬉しいなー

フードもほしい

あと、クルーネックしかないので、稜線上でウィンドシェルのフードかぶっても、寒い時期だと首すじがスースーしがち。こいつにフードが付いてたら更に使いやすいだろうなー。フードのかぶる・かぶらないで日差しや風を適度に防ぐ事ができるし、この薄さならヘルメットのインナー代わりにする事も可能でしょう。できればパタゴニアのR1フーディや、モンベルのトレールアクションパーカみたいに『鼻から口まで塞げるような深いタイプのフード』だと最高なんですが・・・。

ベストバージョンもほしい

もっと言うとこれのベストバージョンにカンガルーポケットとかつけたら春秋かなり便利そう。生地のカットや縫製工場の関係で難しい面があるのだと思いますが、ワークマンさんならそのうち出してくるであろうと期待しています!

まとめ

ワークマンという会社のスケールメリットを生かした大量生産により達成された低価格(それにしても、安過ぎる)商品ですね。

それでいて充分登山に使える性能を持っているのがスゴい。この値段であれば、ハードな山行に用いることも躊躇しないので、むしろガチめに登山やっている人たちにお勧めしたい。

軽くて着心地が良いため部屋着としても優秀で、アウトドア用に買ったのに部屋着としての使用頻度が高いです。なんなら部屋着用に1サイズアップしたLサイズの購入を検討しています笑

けど調べてみたらワークマンの公式HPでも最新カタログにも掲載されていないのでもしかすると今期分は既に売り切れている雰囲気?店で見かけたら即買い推奨です!

今年(2024年)も発売されました!

先日ワークマンを覗きに行ったら今年も発売されていました!

このインフレ下にあってたったの20円値上げ!すごいぞワークマン!

サムホールなし、ポケットなし、フードなしと全く同じスペックに見えます。

やはりベストもあると嬉しいな~

20円値上げの1,280円!

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