尾瀬などに行くと、日傘をさしている人を多く見かけるようになりました。ここ数年でSix Moon DesignsのSilver Shadow等の銀色の日傘をサイドポケットに突き刺したスタイルが、すっかり夏のULハイカーのアイコンになった感があります。

新興ブランドからも、続々と新しい商品が発売されていますが、そんな中私は「KIZAWA』という会社の超軽量カーボン折りたたみ傘「 U.Light pocket」を使用しています。超軽量製品にありがちな一癖ある使い心地ながら、その超軽量さゆえに、特筆すべき性能を持っており、ここ最近買った製品の中でも趣味に持ち歩くことの多い商品になっていますので、以下に詳しくレビューしていきたいと思います!
KIZAWAの最軽量折りたたみ傘とは?
傘やレインウェアの卸、小売を手掛けるKIZAWAが発売するカーボン骨のポキポキタイプ折りたたみ傘『U.Light pocket』です。
この商品は、超軽量製品にありがちな一癖ある使い心地ながら、その超軽量さゆえに、特筆すべき性能を持っており、ここ最近買った製品の中でも特別手にすることの多い商品になっています。
スペック
重量:83g(※現在は同スペックで69gと更に軽くなっています!)
傘サイズ(展開時):直径80cm
収納時のサイズ:直径3cm×長さ21.5cm
骨の材質の:カーボン


骨の数:5本
収納方法:ポキポキタイプ
値段:3299円
良い点
- 軽い。とにかくめちゃくちゃ軽い
持っているのを忘れるレベルで軽いです。
ただし、私が購入してからのマイナーチェンジで更に軽量化していました。公式ページでは69gと更に14g軽くなっています!
うーん、不要なのは分かっているけどちょっと欲しい(ダメ人間)。


- しまい寸法がとても小さい
一般的な折りたたみの方と比べてもかなり小さい21.5cmという極小サイズになるので、私が愛用しているパイカパックのメッシュポケットにもすっぽり収まります。


私はなるべくザックサイズを小さく、ザックのフォルム自体も小さく収めたいので、この点はとても気に入っています。トレッキングポールや折りたたみ傘をアンテナののように突き出して歩くのはあんまり好きではないんですよね。ローカスギアのトレッキングポールCP 3もこの理由で最近めっきり使用していません。
あと、これは思わぬ副次効果ですが、通勤バックの中に放り込んでおいても空間を圧迫しないレベルのサイズなので、ずっと通勤バッグに入れて持ち歩いていられるんです。この「ずっと持っていられる性」は不測の雨にも即座に対応でき思いのほか便利です。仕事帰りに「あ、雨降ってる」と言う時も、バックの中からさっと取り出してすぐに使えると言う安心感こらいつもカバンに入れて歩くようになりました。
車の鍵と携帯電話に次ぐ位の携帯頻度で、通勤バックの中に入れても存在を感じさせないので、なにげにほぼ毎日持ち歩く必携品の一つになっています。
- 安い!
私が購入した時点で2,699円でした。
現在は約3,300円と少し値上がりしていますが、この傘の競合となるであろうアウトドアブランドの傘と比べるとかなり手頃に感じます。
ちょっと調べてみたらアウトドアメーカーの傘、ちょっと中間マージン取りすぎじゃないですか笑?
ブランド | 公式ページ | 重量 | 値段 | 傘サイズ (展開時) | 傘サイズ (収納時) | 材質 | 骨の数 | 収納方法 |
キザワ | U.Lightポケット | 69g※ | 約3300円 | 80cm | 20.5cm | アルミ カーボン | 5 | ポキポキ |
モンベル | トレッキングアンブレラ 50 | 139g | 約6,050円 | 86.5cm | 26cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ |
トレッキングアンブレラ 55 | 153g | 約6,600円 | 95cm | 27cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ | |
トレッキングアンブレラ 60 | 166g | 約7,150円 | 103cm | 29cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ | |
ロングテイル トレッキングアンブレラ | 152g | 約7,040円 | 92cm | 29cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ | |
プリント トレッキングアンブレラ 55 | 153g | 約7,700円 | 95cm | 27cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ | |
エバニュー | エアリーL.Fアンブレラ | 74g | 約4,620円 | 86cm | 22.5cm | アルミ カーボン | 5 | ポキポキ |
レイブレラ | 124g | 約3,960円 | 86cm | 21.5cm | アルミ カーボン | 5 | ポキポキ | |
SL76gアンブレラ | 76g | 約5,500円 | 83cm | 22cm | アルミ カーボン | 5 | ポキポキ | |
エアリーワイドU.L.アンブレラ | 120g | 約5,500円 | 108cm | 25cm | アルミ カーボン | 6 | ポキポキ | |
トレイルシェイド | 136g | 約5,500円 | 90cm | 23cm | アルミ カーボン | 5 | ポキポキ | |
アラタ | アラタ AU-08 | 142g (ホワイト) | 約6,820円 | 88cm | 38cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ |
アラタ AU-08 | 169g (シルバー) | 約6,820円 | 88cm | 37cm | アルミ カーボン | 8 | ポキポキ | |
シックスムーン デザインズ | シルバーシャドーミニ トレッキングアンブレラ | 193g | $40.00 約11,000円前後 | 96cm | 25.4cm | アルミ カーボン | 8 | ワンタッチ |
Zパックス | ロータスULアンブレラ | 192g | $44.95 USD 約11,000円前後 | 96.5cm | 63.5 cm | グラス ファイバー | 8 | ワンタッチ |
イマイチな点
- 傘の直径が小さい
雨の時に他の人が持っている傘に比べると明らかに小さいです笑
それもそのはず、この傘のサイズは50cmです。槇田商店さんのHPによると一般的な傘のサイズは成人男性で65㎝、成人女性はで60㎝だとされていますので、それよりもさらに10cmほど小さのサイズになります。
展開した時の直径が80センチメートル。一般的な折り畳み傘(95〜115cm程度)より25〜35cm程度小さいサイズになります。


傘の幅は、傘にとって最も重要な性能である「雨に濡れにく性」に直結してきますが、『U.Light pocket』はこの性能に関しては残念ながら最弱レベルです。
私がこの性能を許容できているのは、
通勤で傘をさす必要がある場合でも大体5分程度しか使わないこと(駐車場から会社までの短い徒歩)や、
テント泊中に小雨が降っている時のトイレの行き帰り程度など、「傘があると便利だけど無くてもなんとかなる(濡れるけど!)」程度の状況を想定して運用しているからです。後は地元の低山で、樹林帯を歩いている時の不意な雨の時に使うのもいいかもしれません。ガチで降っている時はいずれにせよ雨具が必要になるでしょうし、ここら辺は自分の行く山域や山行スタイルとの相談になってきますね。
- 遮光性能は弱め
よく見る銀色の傘に比べると遮光性能は劣ります。遮光のコーティングが無い上に、傘の生地自体も薄いのでこれは致し方ない。
しかし、やはりあると無いとでは大違いで、カンカン照りの尾瀬など日傘があった方が良い状況では『あると全然違う!』と感じさせてくれます。
- 折りたたみ方法にひと癖あり
この折り畳み傘は、最軽量傘にありがちな、いわゆる『ポキポキタイプ』と呼ばれるタイプの折りたたみ傘になります。
一般的な折りたたみ傘は、畳むと同時に骨が連動して収納される構造になっていますが、このタイプの傘は骨をいちいちポキポキと折ってやる必要がありますが、慣れるとそこまで気になりません。というか、上の表を見ていただくとわかるように、ほとんどのアウトドア用の傘はポキポキタイプなので、これはほとんどウィークポイントにはならないと思います。
私は使用後の濡れた傘をそのまま車の助手席の足元に放り投げて丸一日放置し、完全乾燥させてから収納しています。なんなら助手席足元から拾ってそのまま使ってたりもします笑
- 山での威張りが効かない笑
『UL 傘』で画像検索すると、沢山おしゃれハイカーの画像が出てきます。遮光の折りたたみ傘が一定の地位を築いたのが見て取れますね。この点に於いて、この傘にはリード文で載せた写真ようなアイコン感は全くありません笑。私にとっては優先順位が低い項目ですが人によっては減点ポイントになるかもしれませんね。
毎度の事ながらちょこっとカスタムしました。
- 持ち手を石付きキャップに変更
持ち手の部分が平べったくて持ちにくかったので、トレッキングボールの石付きガードに交換しています。持ち手を引っ張って外して、適当なテープを巻いてからトレッキングポールの石突キャップをねじ込んだだけです。


- 傘の天頂部にループを作成
天頂部の蓋を外して2mmのダイニーマコードでループを作成しました。


このループを使用してツェルト内に傘を吊り下げられます。これで頭上空間を稼げますので、ツェルトを広く快適に使えるようになります。
ちなみにこれをする時は、持ち手の長さを短くするとより快適に使えます。下の写真は通常使用時の長さで、持ち手は50cmくらいの長さがあります。


ツェルト内に吊るす場合は、この状態から、シャフトのポッチを押して持ち手を短くします。すると以下の写真のように持ち手を超短くすることが可能です。この状態だと傘の高さは20cmちょいとめちゃくちゃ短く使うことができます。


参考までに天頂部分から持ち手末端までの写真も添付しときます。




まとめ
少しクセのある製品ですが、私のように『せいぜい5〜10分程度しか傘を使わない』人や、基本雨具で対処するけど、『テント泊中は傘があると便利だなぁ』とか、無くてもいいけど、『カンカン照りの場所であったら便利だなぁ』、『ツェルト内に傘広げてスペース稼ぎたいなぁ』と考える人にとっては悪くない選択肢になると思います。
夏の低山など「雨具を着ないとそれなりに濡れてしまうけど、雨具を着ると今度は汗でびしょびしょになりそう」と言う場面でも使いやすいです。
山で使おうと思って、最軽量の傘を探していた時に見つけたこの傘ですが、持ち歩き性能が良いため、日常でもヘビーローテーション品になっています。
「軽いは正義」を体現するKIZAWAの超軽量カーボン折りたたみ傘は、日常から山歩きまで“とりあえず持っておく”のに最適な一本です。「とにかく軽い」「どこにでも忍ばせられる」この傘ならではの機動力は、荷物を極力減らしたいUL志向の方だけでなく、「雨の日の備えは最小限でいい!」という方にも大きな安心感を与えてくれるはず。多少の妥協点もありますが、“必要な時に、そこにある”傘の価値を最大限に実感させてくれるギアでした!
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