以前の記事でも書きましたが、数年前からヨネックスのステップイン(アキュブレード)と並行して、K2の旧型ステップイン(クリッカー)と新型ステップイン(クリッカーXHB)を使用しています。
前書いた記事で書いた通り、使いやすさや雪の詰まりにくさ、接続しやすさにおいてはヨネックスのステップイン>・・・越えられない壁・・・>K2(新旧)ステップインだと感じています。それでも私がK2のステップインを使用している理由は、YONEXのステップインが今後再販される可能性はかなり低いと見積もっており、今後経年変化で使えなくなる事が予想されるためです。
使用感はアキュブレードの方が良いのですが、ステップンのメリットには抗い難く、背に腹は代えられませんので消極的な理由でK2ステップインを使用しているわけです。
そもそもステップインバインディングにハイバックは必要か?
ステップインのバインディングについてですが、ヨネックスを使用していた頃から、ハイバックに干渉して上手く装着できない事があったため、私はハイバックを外して使用していました。ステップインバインディングの構造上、接続しただけの状態ではどうせハイバックには過重していませんしね。
以前から、旧K2バインディングにはヒールカップもハイバックも無かったため「もともと無くても剛性が取れる設計になってるんだろうな~」と思ってました。
試しにXHBでも外してみたところ、何の違和感も無く滑れてしまったため、それ以降はずっとこのスタイルで運用しています。
もともとの剛性がしっかりしているので、カービングや荒れた斜面でも外れたりした事はありません。
この状態で年間30回程度、使用した日数換算で100日以上この状態で使用していましすが、不具合を感じたことは無く、むしろ快適な使用感です。
そのため『あんなの(ハイバック)飾りです!偉い人にはそれがわからんのですよ!』と思っていました。
ヨネックスで慣れていましたので、K2のステップインでも同様にハイバックを外して快適に使用していたのですが、ある時後輩くんから、
それ、前から気になってたんですけど、使いにくくないんですか?
ハイバック無しでよく操作できますよね~
と質問されました。
全然使いづらくないよ!むしろ履きやすくて楽チンだよ!
ステップインはブーツだけで剛性保ってるから全然普通に乗れるよ(あくまでも個人的な感想です)!
と返していました。その時は
え~・・・、すごいっすね~(無いわ~・・・)。
と引き気味だった後輩くんですが、その後ハイバックに邪魔されてうまくステップインできない事例を何回か経験したようで、覚悟を決めてハイバックを外してみました。
その感想は、
えー!めちゃくちゃ付けやすいです!
今までハイバックが邪魔してたんですね!!
と、装着のしやすさに驚いた様子でした。滑りに関しても、1本滑った後輩くんは
何の違和感も無いですね(拍子抜け)・・・。
じゃあ、あれ(ハイバック)何のために付いてるんですか?
と違和感なく滑れたことに驚いていました。
今ではすっかりハイバック無し運用に慣れ、ハイバック付きで使用している彼女(慎重タイプ)にまで「外してみたら?」と勧める程度には洗脳されています笑。
この後輩君は、数年前からステップインを使用しており、ステップインの着脱に関しては「たまにハイバックが引掛って上手く履けない」ことと、「ブーツのクリート部分に雪が詰まって上手く接続できない」ことを不便に感じていたようですが、この対策をしたことで、装着に関してのストレスがだいぶ軽減できたようでした。ハイバックがない分雪も掻き出しやすくなりますので、雪が詰まって履けない、という事象も起きにくくなりました。
後輩くんは、滑りは上級者に位置づけられるレベルで、ステップインに関しても上手に使えていた部類のスノーボーダーだと思いますが、K2のステップインはそんな彼でもたまに不便を感じるようなちょっとクセのある道具です。
まぁ彼自身が、あまり道具をいじくって試行錯誤する事が少ない、という要因もありますが、同じ道具を使っている人で「ステップインが付けづらい!」と悩んでいる人はハイバックが干渉している可能性がありますので一度ハイバックを外してみる選択肢があることを共有したいと思いました。
ちなみに右足側のヒールカップ。一緒に外すのがオススメです。
ちなみに私は、ハイバックと一緒に『右足側のヒールカップ』も外しています。
私はレギュラースタンスですので、リフトの乗降時などで右足側のバインの付け外しが圧倒的に多いのですが、
ヒールカップを外すことによって、バインの『前後方向』いづれの方向からもバインにエントリー(足入れ)する事が可能になるからです。
これも、以前使用していたアキュブレードから持ち込んだ習慣なのですが、私はアキュブレードの時も右足側だけハイバックもヒールカップも外して使用していました。いや、アキュブレードの時は、バインのベースプレートがアルミ製でしたので、ベースプレートのサイドガード部分を『グラインダーでぶった斬って』フラットバインディングにして使用していました(これも推奨はしません笑)。
推奨はしませんが、これがメチャ使いやすいんです。まさに『どの方向からでも』つま先のクリートがハマれば即連結できる感じです。
左足側は休憩時にしか外さないため、ヒールカップが着いたままでも邪魔にならないことと、板を外した際に、ヒールカップがあることで、持ち手になって便利ということも重要な要素です。
アキュブレードや旧クリッカーはヒールカップがアルミの板でできており、長時間持っていると手が痛くなるので、グリップテープや自己融着テープを巻いて持ちやすくしています。
完全に「ハンドル」扱いですね笑。
また、またバックカントリーに行く際は、スノーボードがザックからずり落ちて落下しないように、どこかで1カ所バックルを通してロックをする必要がありますが、ヒールカップの輪っか部分に、スノーボード固定用のバックルを通せば、落下防止の確実なロックになるのも有ると良い点ですね。
良い点
- 足入れが楽チン(これが効果絶大!)
- 雪が溜まりにくく、排除しやすい→クリッカーにありがちな『雪が詰まって装着しにくくなる』トラブルが体感ほぼゼロに!
- 操作感に全く違和感なし。
- ワンフットしやすい→フラットな形状になるので、ワンフット時やスケーティング時に干渉するものがなく、非常にワンフットしやすい。
- 軽量化できる(後付けの副次効果笑。ミニ四駆世代には刺さる)。
- なんかシュッとしてカッコいい。
- 前足側だけヒールカップを残しておけば、取っ手として機能する。持ちやすく、BCでザックにくくりつける際もスッポ抜け防止になる。
- 「なんですか!それ!?」と言われる率の高さ笑。
イマイチな点
- 操作感的に全く違和感なし。
これは良し悪しなんでしょうが、NOWのハイバックレスバインディング(HI CUPーハイカップー)のようなサーフライクな操作感を期待している人にははっきり言っておきます。
「残念ながら、めっちゃ剛性感あります(笑)!」
もともとハイバックレス運用がデフォで設計されていたバインの後継機です。
しかも、もともとのクリッカーはアルミ合金の板一枚でできたバインでしたが、現行のクリッカーXHBは全体がプラパーツで覆われており、見た目から伝わる剛性感を持っています。
足元感覚が鋭敏な人なら、操作感の変化に多少は気がつくかもしれませんが、私的には「ほんの少し、足元の自由度があがったような(気のせいか?)・・・?」ぐらいの変化しか有りません。ここは滑走時の安心感と捉えて下さい。
あと、3度くらいのカントが付いているので、他のバインから乗り換えると同じスタンス幅でも少しスタンスが狭くなった印象を受けます。解剖的に納得ですが、少し違和感を感じるかもしれませんので、頭の片隅においておくと良いかもしれません。
- 軽量化といっても体感できる効果はない(ミニ四駆と一緒ですね笑)。
軽量化は雰囲気です(断言)!
- 工作したり道具をいじったりしない人にはハードルが高いかも?
バートンやFluxのようにドライバー1本で全て外せるかと思いきや、ハイバックとヒールカップを固定しているネジは内側が六角になっています(なんでや!)。
2024/11/23追記
もう一個購入して同じセッティングにしたところ、ヒールカップの金物にほぞが切ってあって、ドライバーのみで調整できました!何を勘違いしていたのやら・・・。
クリッカーXHBはドライバーのみで調整できます!!訂正しときます。ゴメンナサイ!
一度外してしまえば、あとはハイバックを外して(あるいはヒールカップも外して)、そのまま組み直せば良いのですが、自宅に工具がない人や、このような作業を行うことが少ない人は戸惑うかもしれません。
まとめ
個人的には足入れよく、雪のつまり軽減にも寄与し、持ち運びしやすく、自分仕様のギアを使用している特別感も有り、メリットしかないカスタムだと思っています。
特に、後輩くんのように、ハイバックが干渉してステップインがハマりにくいと感じたことがある諸兄は一度試してみる価値はあるかと思います。
ステップインバインディングの装着に関して不便を感じている方は、一度安全な初心者コースなどを使用して試してみてはいかがでしょう?
今回の記事ではステップインバインディングのちょっと変わった使用方法について共有してみました。また何か変わった使用方法や改造方法等思いついたらちょこちょこ追記していきたいと思います!
注)毎回書いてますが、スノーボードギアの改造使用には危険を伴います。改造、使用にあたっては、個人の責任において安全に配慮して楽しみましょう!
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