今回の記事では、以前の投稿でチラッと書いたスーパー無双のちょっと変わった施行法について御紹介していきます。
パウダー狙いで滑っている人はストラクチャー無しのツルツルソールにしている人が多いかと思いますが、春先等で雪がシャバってくると板が走らず難儀する事もあると思います。
これを防ぐためにはソールにストラクチャーを入れるのが1番手っ取り早いんですが、ストラクチャーを入れるとパウダーでの滑走性能がスポイルされますし、板の寿命が短くなることから敬遠される方も多いと思います。なんと言っても、高いですしね。ストラクチャー入れるの。
そんな時、思いついたのが今回のワクシングの方法です。
そもそもスーパー無双とは?
詳しくはこの記事参照。一言でいうと『メチャクチャ硬いワックス』です。硬さで言うと「ほぼ柔らかいプラスチック」レベルの硬さがあります。
そのため、かなり塗りにくいワックスにはなりますが、その反面、他のワックスにはない性能があります。
それは「ワンシーズンに一回の施工でなんとかなる」くらいの超絶な耐久性です。公式では”一度のコーティングで500キロ以上の滑走性”をもつとされています。
今回はその特性を活かし、調べた限り多分私しかやってないであろうワクシング方法について解説していきたいと思います。
ネタバレしちゃうと、「ワックスで簡易的なストラクチャーを入れようって話」です。
そうです。『なんちゃってストラクチャー』です(いやー、何の責任も無い無知な素人はこういうメチャクチャな事ができていいですね~笑)。
使用するもの
溝つきポリスチレンシート?なんぞ?
使用をするのはこちら、ギザギザの溝があるポリスチレンシートです。
スノーボードオタクの多くの皆様は恐らく初見であろうアイテムですが、要は溝が付いたプラ板です。本来の用途は鉄道模型などのスケールモデル作成などに使用するようです。
バテンの表面にはミゾがあり、いくつかのサイズがありますが、今回はこちらの製品(Ref.70EG4542 1.0厚 1.8幅)を使用していきます。
バテンは使用するスクレーパーの幅に合わせてあらかじめカットしておきます。この際、スクレーパーは「バテンおさえ」として使用しますので、別に研いでいないなまくらスクレーパーでも大丈夫です。私は使用しているメタルスクレーパーのスリーブがシンデレラフィットしましたのでメタルスクレーパーを持っている人はそのスリーブを使用するのが良いと思います。
施工方法
そんなわけでやっていきます。
1.ベースを整えたスノーボード滑走面にスーパー無双を振り掛ける。
ワックス振ってるとこの写真がなかった!
2.130ー140度にしたアイロンで粉の上から押さえつけるようにしてワックスを溶かし込む。
3.滑走面全体にワックスを溶かし込んだらノーズからテールへアイロンを動かし、板全体にワックスを塗り広げる。ここまでは公式と同様の手順です。
4.板全体にワックスを塗り広げたら、暖かいうちにノーズからテールへ向けてワックスをスクレーピングする。スクレーパーにバテンをのせて削っているため、バテンの溝の形にワックスが残っていきます。
5.この状態になったらOK。滑走面全体に溝状の削り残し跡がついているのが分かると思います。
6.ブラシでケバをとるように、艶を出すように磨いていく。この際、溝状に残したワックスを削り落とさないよう、やや柔らかめのブラシを使用して磨いていく。今回は真鍮とボアブラシを使用。結構強く磨いても削り取れません。
7.全体的に磨いてツヤが出て来たら完成!先ほどのバテンで削った溝を削り残す事で『なんちゃってストラクチャー』が出来ているのがわかります。
施行するなら夏場がおすすめ。その他所感
いかがでしょう。いつも自宅でワクシングしている人ならいつもの手順と大して変わらないのではないでしょうか?スーパー無双のあまりの硬さ故に思いついた方法ですが、一つ問題点があります。それはこの手法を『冬に行うにはワックスが硬すぎる』事です。
しかし、スーパー無双を買うような人は、ワクシング道具は一通りお持ちでしょうし、それなりに高いワックスを購入するモチベーションもある方々でしょう。
ある程度のワックスオタクになるとトチ狂って「夏にこそワクシング!」などと口走り、炎天下の下で硬いワックスを入れ始めたりするものなので(偏見)、今回ご紹介した方法は比較的容易に施行できるのではないかと思います。夏場にワクシングしてシーズンインに備えましょう!
ちなみに「なんちゃってストラクチャー」の耐久性についてですが、今シーズンの滑走3日間は、テストを兼ねてこの板のみを使用していますが、ストラクチャーもどきが削れた印象は全くありません。ほぼ変化なしに見えます。スゲー!スーパー無双マジ硬ぇ~(語彙力)!!です。
施工にあたり、私はプラ板を使用しましたが、いい感じにギザギザしている板(なんだよそれ)があれば、他の道具でも代用できるかもしれません。むしろ何か良いアイテムがあったらコメントをいただけると嬉しいです。
なお、この手法を用いて生じたいかなる問題に対しても当方は責任を持ちませんので、あくまでも自己責任においてご利用ください!
チームレスキューさんで推奨している方法ではないですし、むしろハイシーズンのいい雪に対しては抵抗を生み出す可能性が高い施行方法です。
しかし、春先のシャバ雪の「張り付き現象」に対してはかなり有効な方法だと思いますし、おそらく同社の『黒固形』※との相性も良いのではないかと密かに期待しています。※ジグザグに塗ることで、水分を切り空気層を作る手助けをするワックス。チームレスキューでは「お絵かきワックス」とも呼称していましたが、なんちゃってストラクチャーはこの黒固形を使って思いついた手法です。黒固形を斜めクロス状に線を書くように施行していましたが、「これ、レスキュー無双でやったほうが耐久性も滑走性も良くないか?」と思いつき、今回の実験に至りました。
チームレスキューさんは2ちゃんで叩かれていた大昔の時代から、ワックスの性能で生き残り、ここまで発展して来たメーカーです。かなり昔から追っていますがここに来て一気に時流に乗った感があります。FISのフッ素系ワックス使用禁止措置が追い風になった面もあると思いますが、この時流に乗って益々良い製品を作って頂きたく応援しています!
もし「おいコラ、勝手な施行法を吹聴すんなや」的なご指摘がありましたら遠慮なくコメント頂ければ幸いです笑!
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