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K2ClickerXHBを旧クリッカー対応に改造してみた

MYOG
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以前の記事でクリッカーXHBと旧クリッカーバインディングの互換性についてご紹介しましたが、その後、私自身もクリッカーXHBシステムを導入しました

更に詳細な互換性や使い勝手について検証した結果、このシステムの問題点や、ちょっとした改造で使い勝手が向上することなどがわかりましたので共有していきたいと思います。

購入したクリッカーXHB対応ブーツ

購入したのはこちら、BOUNDARY CLICKER(バウンダリークリッカー)XHB。ダブルBOAのミディアムフレックスモデルになります。

ミディアムフレックスモデルとはいっていますが、以前使っていたブーツが歴代硬いものが多かったので、私にはかなり柔らかく感じました。

※メッチャ柔らかい。以前使ってたヨネックスのレジーメーカーと比べるとグニャグニャと言っていい柔らかさです。

クリッカーXHBバインディングとの相性は?

当然ですがクリッカーXHBバインとのフィッティングはまずまず良好。

以前に撮った動画と同様、軽く乗せただけで『カチャッ』とはまります。

しかし、簡単にはまる反面、左右の遊びはかなり多めです。以前の記事では「ガタつき」と表現しています。

手前は後輩くん②のメイシスXHB。

2024/02/02にK2ジャパン公式から出た動画によると、「あえて左右の遊びを作った」との事なので、製品の「問題」ではなく「仕様」ということで認識しておいた方が良さそうです。

しかし、バウンダリーやメイシスといったブーツ毎の硬さの違いもあるので、あえてバインディング側で左右の遊びを作る必要性はあるのか?とまた新たな疑問が出てきたりもします。バインも一種類しか無いのでそこで遊びを作る必要ある?不確定要素が増えるだけじゃね?なんて思ったりもしますが、まぁ公式もいろんなネット情報を見てマーケティングしてるんだろうなぁ、と思いました

※K2ジャパンが2024/02/02に公開した以下動画(1:21時点)では『左右方向の遊びは、動きの自由度を出すためにあえて設定している(意訳)』との事。

ほんまかいな笑

K2 クリッカーシステム最新説明ムービー(Clicker ™XHB)より引用   

使ってみて感じた最大の問題は、

湿った雪のコンディションではブーツのクリート内に雪が詰まってロックできない事です。

これはBCでは結構致命的です。一応もう一回言っておきます。

これはBCでは結構致命的

旧クリッカーバインディングとの相性は?

続いて、バウンダリーXHBブーツとクリッカーバインディングのフィッティングについてですが、こちらはかなり押し込まないと固定できず、位置合わせもかなりシビアでした。位置合わせが左右に3mmズレているとロックされません。反面、ブーツとバインの固定はかなり強固でずれる気配はありません

Kei
Kei

ガッチリはまるじゃん!!

なんとかなるっしょ(適当)!

と思って、実際にゲレンデで使用してみたところ、なかなかうまくはまらないことが多々ありけっこう難儀しました。後輩君もクリッカー導入当初から「雪が詰まりました!」と言っては私のUMLAUT ARTRIDE ASYM 157(ウムラウトアートライドアシム)157を足蹴にしていましたので、

UMLAUT ARTRIDE ASYM 157
完全左右非対称の変態ボード
Kei
Kei

(かなり嵌合の位置合わせがシビアだな、、、。

ブーツもかなり押し当てないとはまらないな、、、

と知ってはいましたが、内心7割ぐらいは

Kei
Kei

後輩くんが不器用なだけか笑?

と思っていました(失礼しました!)。

しかし、いざ自分が購入してみるとそれだけが原因では無さそう。

アキュブレードでは経験した事が無いレベルでハマりが悪い!てか、なんならストラップバインディングを使っている友人に遅れをとる事もある始末正直本末転倒なシステムだと感じました実は、この症状はヨネックスのアキュブレードについても、最終モデル付近の製品で似たような現象が起こることがありました(ちなみに私がそう感じたのはレジーメーカーBOAとXTFの組み合わせ)。しかし、その場合もここまでセットするのに難渋したことは無かったです

恐らく嵌合のクリアランスについて、不測の脱落を防ぐため、遊びをかなり少なくした設計にしているのではないか?と思っています(知らんけど多分そうなんじゃ無いかな?)。

改善したい問題点

というわけで、問題としては

①雪がクリートに詰まると全然ロックできなくなる。

②ハマるときは位置合わせを行ってから押し込むと、レバーが上がって『なんとなくはまり込んだ感じ』になる。さらにそこから踏み込んでレバーが落ちることもあるが、ほとんどの場合『上がったレバーを手で押し込んで確実にロックさせる』必要がある。

レバーは上がるが手で押し込まないとロックされない。場合によっては押し込めない。

③なんなら位置合わせが微妙にズレているとレバーが押し込めない。その場合、当然ロックもできない。

という感じで③の場合、かかとを踏み込むとレバーは上がるのですが、手で押し込んでもレバーが降りてくれず、つま先側のクリートを外して再度同じ手順を繰り返さねばならないことが何度もありました。正直、これにはかなりイライラしました。

手間を減らすためにステップインを導入しているので、もっとスムーズに、スマートにステップインの恩恵に預かりたいですよね⁉︎

ってなわけで以上①~③を改善するために自己責任で色々といじってみることにしました。

雪のつまりについて

クリート部分にシリコンスプレーを掛けて雪が付着しにくくしています。

っが、残念ながら全然根本解決に至っていません。雪玉を作れるくらいの雪の時はいっその事クリッカーを使わないってのも1つの解決策かもしれません。

かみ合わせをじっくり観察してみます

前述した『レバーが上がるのに、手で押し込んでもレバーが降りない』原因について、バインディングを板から外した状態でしっかり観察してみます。

レバーが上がったのに、下がってくれない時は、以下のような感じになっていました。

はい『なんぞこれ?』って感じですね。わかりやすく図解したのが以下の物です。

フックとクリートが干渉して上手くレバーが降りないようです。

バインディング側のフックの端の段差とブーツのクリートが干渉して動かせない状態になっているようでした。この状態からあとほんの2mm左にズレたらフックがクリートにハマるんですよ・・・。

また、力を入れて押し込まないと、フックがうまくクリート部分にはまらないのは、クリートとフックの厚み部分での合わせがシビアでほとんどクリアランスに余裕が無いのが原因だと思われました。

改造するところ

ブーツのクリートのエッジ部分を滑らかに鈍角に研磨することにより、クリートとフックが干渉し合わない、かつクリート中心に向かってフック部分が誘導されやすくするよう形成する。

②更にビンディングのフック部分の厚みを研摩して薄くする事により容易にロックされるようクリアランスを調整する

以上2点の改造を行うことに決めました。

使用するもの

クリートもフックもステンレス製なので普通のヤスリでは削れません。使用するのは

  • ダイヤモンドヤスリと
  • 耐水ペーパーです。

では改造していきます!

まずはクリッカーXHBの方からやっていきます。次の写真は研磨前のバインディングのフック部分です。

結構ガタガタしてますよね?

やたらとバリが目立ちますね。ブーツのクリートと当たる部分にもかなりのバリがありますが、引っ掛かりの原因となりそうですので削っていきます。

クリッカーXHBのバインディングについては厚みを変えたく無いのでバリを取って、全体的に滑らかになるように研磨していきます。

研磨後はこんな感じに。てかここまでは求めませんがバリ取りくらいは工場出荷前にしておいてほしいものです・・・。ちなみにフックの厚みは変えていません。

ほぼ鏡面のツルツル状態になりました。

続いて旧クリッカービンディングも研磨していきます。

旧クリッカーについてはハマり自体が悪いので、フックの厚みをほんの少しだけ薄くしていきます。0.5mm弱程度削れば充分だと思います。この際、ブーツのクリート部分に誘導されるように、フックの縁の部分の段差を磨いて滑らかにしました、嬉しいことにこいつが思いの外有効でした

改造前の状態はこちら。

バリはほとんど見られませんがフックは結構な厚みがありますね。最新型よりも厚みがあるようにも見えます。旧型の方は厚みも削るので骨が折れそうです。それでは削っていきます。

まずはざっくりダイヤモンドヤスリでフックの厚みを削り、更にフックの段差を削った後、180→320→600→1000番の耐水ペーパーで研磨していきます。

フックの厚みを少しずつ薄くしていきます

色塗ったんで別のバインディングのようですが、削った結果こんな感じにできあがりました↓。

横から
後ろから

とりあえずこんな感じに全体的に滑らかに、引っ掛かりが無くなるようなイメージで削りました。

続いてブーツのクリートも研磨していきます。

ブーツの方はクリッカーXHBと旧クリッカーの両方に互換性を持たせたいので最低限の研磨に留めたい。というわけでブーツのクリート部分はエッジのバリ部分を滑らかに削った後、180→320→600→1000番の耐水ペーパーで研磨しました。

研磨前

研磨前、エッジが立っている。フックがかかる部分のバリも気になりますね。

研磨後

バリがなくなりました。角も少し丸くしてフックが中央に向けて滑るように削りました。クリート自体の厚みも0.5mmほど薄くしています。

結果

こんな感じでいい感じにハマるようになりました!てか、最初から互換性持たせといてくれよ!

たま~にロックが上がったままの時もありますが、かかとを左右にこじるとハマる感じになります。とりあえずいい感じになったのでこのまま様子を見ていこうと思います。

以前の記事で作成したステップイン対応スノーシューは後輩君に譲ったので、MSRのライトニングアッセントをクリッカー対応に改造しないといけませんね。こちらについてはまた後ほど記事にしていきたいと思います!

おまけ クリッカーをいじっていて考えた事

今回、クリッカーをいじっていて、情報収集のために色んな動画を見ていて気になったことをつらつら書いていきます。

その1 追記2024年2月の上旬にジャパン公式よりクリッカービンディングについての動画がアップされました。

動画見ていて気がついたんですが、左足ブーツのセッティングの際(2分5秒~)は、左足側のビンディングのレバーが上下して「パチン」とはまっている(2分10秒)のが確認できますが、右足側のセッティング(2分14秒~)の際、かかとを踏み込んでも右足側のレバーの明確な上下は確認できません(2分17秒)。微動はしてますが。これって右足上手くハマってますか?

疑惑の2分17秒

それともライダーさん用のなにか特殊なセッティングがされているんでしょうか?右足のセッティング後、右足側のレバーをひねって(2分18秒)ロックしているんだと思われます。この際、ブーツを微妙にこじっている様子が確認できることから、おそらくしっかりセットされているんだとは思いますが・・・。あのレバーの挙動の違いが気になります。

その2 バックカントリーメインのK2ライダー高久さんの公式YouTubeチャンネルのコメント欄でも『深雪の際のセッティングについて動画で紹介していただけませんか?』といった旨のコメントがありますが、こちらのコメントについては返信がされていない状態です。他のコメントについては、丁寧にすべてのコメントに対して返事をしているにもかかわらず。なので、

『そうゆう事なんだろうな』

と思っています笑。

その3 先日、友人が八甲田のバックカントリーツアーに行った際も、八甲田ガイドクラブのガイドさん達から「いやー、クリッカーカーか~」「トラブると面倒なんですよね~」「アキュブレードはないんですか? (このコメントもひどいな笑)といった反応をされたようで、ガイドさん達の反応から、クリッカーに対してかなり悪いイメージを持っている印象を受けたそうです。

というわけで、信頼性においては

アキュブレード・・・・・・・・・・・・

超えられない壁>クリッカー

というのが、BCガチ勢であるガイドさん達の率直な意見なんだと思います。

とは言え、今回の改造を行ったことで、ゲレンデや深雪での使用についてもだいぶ使用感は改善されたので、しばらくはこの組み合わせで遊んでみようと思っています!

注意事項

ちなみにK2ジャパンでは、クリッカーXHBと旧クリッカービンディングには『互換性がない』と明確に広報しています。今回の記事の改造はスノーボード好きの素人のおっさんが自己責任で勝手に行っているものになります。この記事に関連したいかなる事案・事故につきまして当方は一切の責任を負いかねますので、ギアの改造につきましては各自自己責任でお願いいたします。

なんかこの文言毎回書いてる気がするな笑

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