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剱岳で体験したブロッケン現象について

登山
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登山の魅力の一つは『山でしか見られない美しい景色に出会える』ことです。

今回は、私が剱岳で見た夢のような景色について紹介したいと思います。

剱岳とは?

剱岳は標高2999mの日本百名山。映画『剱岳 点の記』の舞台です。登山ルート全体が急峻な岩場で構成されており、中でも『カニのタテバイ』や『カニのヨコバイ」と 呼ばれる危険な岩場は一般ルートで最難と言われるコースでもあります。

登ったのは2022年の8月。朝から天気が良く、風も穏やかでした。夜明け前に劔沢キャンプ場を出発し、剱澤小屋を経由して剱岳に向かっていました。

剱沢キャンプ場からのアーベントロート。険しい剱岳と柔らかな夕焼けの対比が印象的でした。

そして、前剱を越えてしばらくした頃、奇跡的な光景に出会いました。ブロッケン現象です。

ブロッケン現象とは?

ブロッケン現象とは、太陽の光が雲や霧の粒を回り込み、沢山の雲粒で回り込んだ光が重なり合うことで光の縞模様ができる現象です。

山の観天望気「山と溪谷社」

って。文字で説明されてもピンときませんよね。ひと目で分かる図がweathernewsのサイトにあったので引用させて頂きます↓

weathernewsより信用

ようは『太陽を光源とし、霧(雲)をスクリーンにしたプロジェクター』です。

条件としては太陽が低い位置にあること(朝や夕方)や、太陽が霧(雲)に影を落とすこと、見る人と雲(霧)との距離が適切であること等々様々な条件が揃って初めて確認できます。

ドイツのハルツ山地最高峰ブロッケン山でよく見られたことに由来してこの名がついてるようです(wiki)。

前剱を越えた断崖でそれは起こった

前剱を越え、稜線沿いに断崖を進んでいる時です。

近くにいた登山者たちが歓声を挙げはじめました「何あれ〜⁉︎」と言っている声が聞こえました。

声に視線を上げると背後から差し込んだ光が眼前の雲に影を落とし、私の影が巨大に映し出されています。そして影の周りには7色に光る光輪がみえます。

思わず声を上げました。「ブロッケン現象だ・・・!」

右手でiPhoneを持って撮影しながら左手を振っています。

他の登山者も気づき、みんな足を止めて驚きや喜びの声をあげていました。「初めて見た!」「すげ〜」「ダブルブロッケンしよう!」

ブロッケン現象は約10分ほど続きましたが、その間に何枚も写真や動画を撮りました。私の影を取り巻く虹色の輪はとても鮮やかで、まるで天使の輪のようです。確かに後輪を背負った阿弥陀如来にも見えなくはない。昔の人にとってはこんな過酷な環境で見るこの光景はこの世のものとは思えない絶景だった事でしょう。

ブロッケン現象は、北アルプスや立山などで確認されやすいよされていますが、立山連邦は夏場の夕方に確認されやすいと言うことでしたので、朝方に見られたのは非常にラッキーだったでした。

ちなみにその日の次の写真はこれ。険しい山でした。

登山をしていると、「彩雲」や「雲海」、「鏡のような湖面」、「巨大な氷柱」や「凍った滝」、「エビのしっぽ」、「シュカブラ」、「樹氷」など、美しい自然の造形を四季折々で楽しむことができます。

次はどんな景色が見られるのか楽しみです。

それではみなさん良い山行を!

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