現在販売されている数少ないステップインシステムの一つ、K2の
『Clicker™XHBバインディング&ブーツ』(長げーよ)を後輩が購入しました。
色々イジらせてもらい、いくつかの知見が得られたので共有していきます。
需要少なそうだけどw
そもそもなんでステップイン??
豪雪地帯の山中で転倒した場合、
斜度がないと滑り出せません。
そのため、滑走可能な位置まで移動するために、
スノーボード⇄スノーシューの付け外しを行う場面が結構あります。
深雪でのスノーボード⇄スノーシューの付け外しに難儀していた後輩君は、
私の使っているステップイン(ヨネックス)の着脱の速さと楽さに感銘を受け、ステップインの導入を決めました。
しかし!
ステップインシステムを導入しようにも、ステップインを取り扱っているメーカーがそもそも少ない。
まず、私の使用しているヨネックスのステップインはここ数年販売されておらず、このまま廃盤になる可能性が高い。
バートンのステップインは大昔に撤退、キスマークも同様。元々微妙(失礼)。
現状残るはバートンのステップオンだが、2023年現在対応スノーシューが無いため、
スノーボード⇄スノーシューの付け外しが一瞬でできない。
そこで後輩君が購入したのが
『Clicker xHB』システムです。
こいつがなかなかクセのあるシステムで、ネットにもあまり欲しい情報がない。
昔のシマノやK2のクリッカービンディングと互換性があるのか?
フィット感はどうなのか?ヒールカップやハイバックは必要か?等についてダラダラ書いていきます。
そもそも『ClickerMaysys x HB』とは
このブーツは以前K2がシマノと共通で出していた『クリッカー(Clicker)』と呼ばれる
ステップインシステムを搭載したブーツ&バインの最新後継機です。
ビンディングとブーツがワンタッチで装着でき、脱着もレバーで一瞬で外せます。
ブーツ内にプレート(BOA Conda)が入っており、ガッチリとしたヒールの固定ができます。
簡単に言えば、
「ワンタッチで着脱できるK2のハイエンドステップインシステムだよ!」
って事です。
ちなみにブーツが59,800円、ビンディングが46,200円(共に税込)と
足元だけで10万越えのお金持ちシステムです。
ちなみに今季のモデルはブーツだけで6万超えです。ひ~~!
互換性は?
これが気になってる人が多いと思いますので初めに言ってしまいます。
Clicker Maysys xHBブーツは、
シマノとK2の旧クリッカービンディングの両方に接続可能でした(注)!
※今回試した旧型のSHIMANO、K2の3種のバインとはね!
- むしろガッチリ固定されてる⁇
左右方向の安定性に関しては最新機種であるCLIKER xHBビンディングよりも
旧型のクリッカービンディングの方がガッチリ固定されます(なんでやねん)。
これについては個体差かもしれませんが、
ClickerxHBシステムは左右方向にかなりの遊びがある設計なのかもしれません。
左右の遊びは良い意味でのルーズ感を生みますので、パウダーを滑ったりレールを擦ったりする分には柔軟性を生かした滑りができる効果もあります。が、ちょっと遊びがあり過ぎる感がありますので、
「こんな感じだよ!」って動画を置いておきます。
ね?結構左右に動きますよね?
悪く言えば「ガタつき」とも取れるくらいの可動性があります。
ちなみに上の状態でしっかりロックされた状態になります。
続いてK2の旧式クリッカー→シマノの旧式クリッカー→Clicker xHBビンディング(最新式)の順に脱着してみました。こちらも動画に撮ってあるのでまとめてどうぞ。
旧型バインの剛性感すごくないですか?
外す時、ブーツが「バインッ!」って上に跳ね上がってますよね。
明らかに昔のK2、シマノのクリッカーの方がガッチリ固定されてます。
一方、Clicker xHBビンディングは、旧K2、シマノのクリッカーよりも、
簡単に着けられるものの、緩い感じ(左右にグラグラ)なのがお分かりいただけるでしょうか?
後輩くんの板に旧K2のクリッカーを着けで試乗してもらったところ、
メチャクチャ剛性感あります!
板にちゃんと意思が伝わります!
まー、そうだよなー。xHBビンディングだと結構グラグラしてる感じだもんね。
一方、接続に関しては、
旧型の方が「着ける時の位置合わせが結構シビアです。
xHBビンディングは適当にはめてもすぐ着くんですけど、
旧式の方はガッチリ接続されるだけあって、着ける時ちょっとコツが要ります」
との事。
遊びがない分、金具の前後左右位置がしっかり合っていないとダメなようです。
実はこの点は、後輩君から靴を借りて付け外しをしていた時に感じていたところです。
動画でも、特に2つ目のK2のバインを着ける時にすこし手間取っている感じがあります。
旧式クリッカーを使っていた人の中には、かみ合わせがシビアすぎて、ブーツのブロックを一部削って、敢えてほんの少しクリアランスを作っていた人もいたようですから、おそらく仕様なのではないかと思います。
- ハイバック、要らないの?
動画のなかで、クリッカーxHBシステムにはハイバックが、旧クリッカーのビンディングにはハイバックとヒールカップが付いていませんが、この状態でも何の問題もなく滑る事ができます。
このシステムはそのぐらいブーツの剛性感が高いです。
ハイバックなんて要らなかったんや!!
Clicker™XHBダメダメなの?
そんなこともありません。メッチャ簡単につくので、後輩くん的には、
「ゲレンデで使うには最高かも?」ってことでした。
っが!結局前シーズンはずっと旧式のバイン使ってました。
やはり板に意志が伝わらないのは結構致命的な気がしますね。
また。Clicker™XHBブーツのもう一つの欠点として、雪詰まりでブーツとバインを接続できなくなっていました。
どうやら、ブーツの金具が付いている穴に雪の塊がハマるとそれが干渉してバインと接続できなくなるようでした。YONEXのステップインでは一度も経験したことのない現象だったので驚きましたが、YouTube動画で、このブーツを使用している北海道のプロも板を蹴ってブーツに付いた雪の塊を落としていたのを見ました。このプロも「雪が詰まる」と言っていましたので恐らく仕様なんでしょう。
対策として、靴裏のクリート部分にシリコンスプレーを吹いておく、という対策もありますので、お困りの方はお試しあれ!
個人的には10万出して使う価値のあるシステムには感じませんでした。
個人的には、むしろこのブーツと旧式バインを組み合わせて使ったほうがいい感じがします。ブーツだけなら型落ちで4万とかで買えるんじゃないかと思うのでそれが現実的な落とし所かな~。
デメリット
旧式のバインと組み合わせて使うことのデメリットは一点。
ヒールカップがない旧型だと板自体がフラット過ぎて『板が持ちにくい』です。
これは結構でかいデメリットなので、
ヒールカップが付いている旧クリッカービンディングをフリマサイトで購入して換装しました。
そして、後輩くんのスノーシューも旧式のクリッカービンディングに換装しました。
これで山スノーボードのツアーも快適になる事でしょう!
以上、K2 クリッカーxHBシステムについての小噺でした!
ニッチな話題すぎて需要が無いと思いますが、ステップインの復活を心待ちにしている同志もいるかと思います。ご要望があればClicker™XHBシステムについての確認や追記していきますので、お気軽にコメント下さい!
しかし、いじってみて思ったのは、やっぱりSHIMANO・YONEXのアキュブレード方式が今までのステップイン史上最良のシステムだと言う事ですね。
何とか復活してもらえないだろうか。まーコスト面とかトラブった時の対応とかで難しいんでしょうね〜・・・。
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