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紅葉を堪能!シモフリ新道ルートガイド!

登山
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私紅葉時期の山を案内する際のとっておきルートがあります。それが今回の記事で取り上げる『シモフリ新道』です。

とっておきルートとしてストックしていましたが、近頃ムーンライトギアなどの有名登山系YoutubeチャンネルでATA(Azuma to Adataraー吾妻安達太良ボルケーノトレイル)が取り上げられた際、ルートの一部としてシモフリ新道が取り上げられており、今後更に人気が高まってくると思われます。

やはり、今の時代、秘密のとっておきルートを隠しておくのは難しいですね笑

ということで、今回は私の紅葉時期のオススメルートである『シモフリ新道』についてアクセスや駐車場、難易度や迷いやすい場所・危険な箇所、見所などについて、どこよりも詳しくご紹介していきたいと思います。

シモフリ新道とは?

シモフリ新道は、福島県と山形県の県境に位置する吾妻連峰の東側にある一切経山を登るための登山道です。

このルートは、賽河原(さいのかわら)分岐から中天狗山やラクダ山を経由して一切経山に至るルートです。かつては高湯温泉からの最短ルートとして利用されていましたが、長らく廃道状態でした。近年、地元有志によって再整備され、人気が高まってきています。

シモフリ新道オススメの日帰りルート

不動沢登山口を起点とした時計回りの周回コースが私のオススメルートです。

コースの全長は約12Km、登山定数28の中級者向けコースになります。

  • 全長:約12Km
  • 最低情報:1,192m(つばくろ谷駐車場)
  • 最高標高:1,949m(一切経山) 
  • 累積標高差:上り約1,118m、下り約1,118m
  • コースタイム:6時間45分
  • ルート定数:28(日帰り可能)なので、やや健脚向けに近い『一般的な登山者向け』の難易度になります。※山と溪谷オンライン「ヤマタイム」にて計算

アクセス

東北自動車道を「福島西IC」で一般道に降りて車で35分です。

インターを降りてすぐセブンイレブンがありますので、行動食の補給などにも便利です。

駐車場

駐車場はつばくろ谷第2駐車場になります。

つばくろ谷観光用の第1駐車場と、大型、登山者専用の第2駐車場があります。

登山者は手前側の大型用の駐車場(つばくろ谷第2駐車場)に駐車しましょう。

つばくろ谷第2駐車場
第一駐車場には公衆トイレも

隣接する第一駐車場側には公衆トイレもありますので、入山前にここで済ませていきましょう。

ルート案内

登山口は不動沢登山口です。

つばくろ台駐車場の東側、駐車場の脇の「不動沢登山口」から登山を開始します。

熊出没注意!
登山ポストも有ります

登山ポストがあるので、登山届を出していない方はこちらに投函していきましょう。

入山してすぐに『走り登山禁止』の看板があります。立て看板にも案内がありますが、登山道前半は特に滑りやすい土質の上、登山道も狭いため、妥当なルールだと思います。

2023年は土管の上に表示が。
今年は立て看板の表示のみになっていた。

登山道に入ってすぐに不動沢の渡渉がありますが、水の量は少ないので、土管前を左側に進み、慎重に岩の上を歩いて行きます。ここからしばらくは泥でスリッピーな登山道ですので、ゆっくりいきましょう。

登山道に入ってすぐある土管
こんな感じで左に回り込む踏み跡がある

ほどなくして上りが始まりますが、ここから賽河原のシモフリ新道分岐までは黒土の堀れた登山道です。道にはごろごろした岩が転がっており、滑りやすいので注意していきましょう。

道にはごろごろした岩が転がっている
落ち葉と泥で滑りやすい斜面

30分ほど登ると、シモフリ新道分岐が現れます。ここのT字路を左(南)に曲がるとシモフリ新道に入ります。

この案内板を赤い矢印方向へ曲がる
この案内板の方向は反時計回りルート。今回ご紹介するルートとは逆の方向です。

分岐を曲がり、ぬかるみやすい森の中を15分ほど上ると、林が切れ、周囲のパノラマが広がる場所に出ます。

こんな感じにぬかるんでいるところあり。友人は足首まで沈んで凹んでいた。
林が切れて広場に抜ける。

地面も急にガレて一気に雰囲気が変わります。休憩するにも良い場所ですが、ここはまだシモフリ新道のほんの入り口です。

この先の稜線の雰囲気が伺え、一瞬テンションが上がります。

ガレた広場
吾妻の稜線の紅葉が綺麗

そして、ここから一転して下りが始まります。

  • 道迷いポイントその①

短い距離ですが、なかなかの傾斜があるいやらしい下りです。途中で小さな涸れ沢を渡りますが、ここが第一の道迷いポイントです。

ここで沢沿いに左に折れてしまう「みんなの足跡」が散見されますが、ここは沢を横切って超えていくのが正解です。

涸れ沢の向かい側に赤テープがあるが見落としやすい。

見にくいですが、赤丸したところにテープが巻かれています。やはり迷い込みやすいポイントなのでしょう。

激下りで下ばかり見ているため見落としやすいので注意しましょう。友人も結構山をやっているのですが、まんまと騙されていました笑。

涸沢からUターンしてくる友人。

みんなの足跡を見てみると、昨年よりも足跡がさらに濃くなった印象を受けます。ほとんど不動沢まで降りている人もいるようなので、ここには規制線を貼るなどの対策が必要なのではないかと感じます。

涸れ沢を超えた方もさらに下りが続きます。不動沢の直前にはほぼ垂直の段差がありますが、ここは足場も狭く、滑りやすいのでお助けロープもあります。一人づつ細心の注意を払って安全に降りましょう。

下りを降り切ると不動沢の渡渉になります。手前と奥の2つの沢を渡渉します。

手前の大きめの沢
奥の小さな沢

コースタイムはシモフリ新道分岐からここまで35分。登山開始からだと1時間5分ですので、ある程度登れる人ならここまではあっという間だと思います。

ここからいよいよシモフリ新道の見どころへ向けた上りが始まります。森の急斜面をジグザグに高度を上げていきます。ここも距離は短いですが、急な登りです。

結構急登!もう一踏ん張り!

先ほど下げた標高が口惜しいですがそこまで長い上りではありませんのでゆっくりいきましょう。

ここを抜ければご褒美の稜線歩きが始まりますので、もう一踏ん張りです。

樹林帯の急登を登り切ると一気に視界が開けます。

視界が開けた~!

登山開始からここまで大体1時間半。ここからは天国のような大パノラマの稜線歩きが始まります。

那須の茶臼岳や群馬の浅間山と同じように火山性の土壌で植物の育成に適していないのでしょう。植生もハイマツやシャクナゲなど高山でよく見る植物たちに変わっています。

地面に落ちている石も、下界の石とは違う雰囲気です。

火山帯チックなガレた地面

森を抜けたら最初のピーク「中天狗山」はすぐそこ。なだらかなピークです。

  • 中天狗山(1570m)到着
中天狗はなだらかなピーク

中天狗山は、なだらかな山頂にハイマツが根を張り、山名板がちょこんと添えられています。

中天狗からはこの風景!!

一切経山までアルプス感のある美しいルートが続いています。

白トンガリやラクダ山など見た目が特徴的な山が多く、歩いていても楽しいですね。

右を見れば、吾妻連峰に広がる美しい紅葉が、左を見ればコロラドや火星のような(行った事はありませんが)荒涼とした荒野が広がり『ここは・・・どこ?』状態になること請け合いです。

晴天のシモフリ新道は天国です!

ここまで登ってくると吾妻小富士も見えます。まだ横顔しか見えていないので特徴的なすり鉢状の火口は見えませんが、らくだ山辺りまで来ると火口も見えてきます。

らくだ山付近からの吾妻小富士。火星かな?

次に向かうピークは、白トンガリ、見たまんまですね笑

この山の山頂付近だけ白い感じですが、何でこんなことにあんるんでしょうね?

  • 白トンガリ(1580m)到着
2023年は山頂に刺さっていた。

2023年にはこんな感じだった白トンガリの山名板ですが、今年はこんな感じになっていました。風が強いんでしょうね。

古い山名板は割れ、代わりに新しいものが置かれた。

ラクダ山のコルにも人がいますね。

ラクダ山への稜線歩き
こちらも気持ちよさそ~!

ここら辺からはガレガレの登山道になります。そこまでの危険歌手はありませんが、登山は一瞬の不注意で怪我をしますので、気をつけてラクダ山へ向かいましょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ラクダ山は遠くから見ると、2つのピークがあるように見えますが、山名板があるピークは奥側(右側)のピークになります。

ちなみにラクダ山近くには、シモフリ新道命名の由来となったシモフリ山があります。

シモフリ山。めっちゃザレてる。

シモフリ山へは以前はルートがあったようですが、現在は通行不可になっています。足場の悪いガレ場なので、滑落の危険等があるためだと思われます。

カモシカ沢登山口から登ってくる人の姿が。

カモシカ沢駐車場からのルートもありますが、こちらから登ってくる場合もザレ場で足が滑りやすいので注意しましょう。

ラクダ山の手前には、距離は短いですが急な岩場があります。ここも滑落に注意しましょう。ラクダ山手前のガレ場からはこんな景色も臨めます。

  • ラクダ山(1704m)到着

ラクダ山(1704m)からはこの景色!

ヤバすぎる。

この山行中最も紅葉がやばい斜面です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

やばすぎる・・・(語彙力)。

ここみんな写真撮っちゃいますよね。

磐梯東スカイラインから吾妻小富士が美しいですね。磐梯吾妻スカイラインの車の多さに優越感を感じながら歩を進めます。下界の喧騒が嘘のような静かな山行です。

吾妻小富士の階段。めっちゃ人いる笑

ラクダ山を超え、低木のトンネルを過ぎると、いよいよ一切経山に向けて上りが始まります。

晴れているとこんな景色が!

荒涼とした砂礫帯を徐々に行動を上げていきます。

稜線上に目をやると、一切経山の稜線と浄土平ビジターセンターからの登山道が見えてきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ビジターセンター側から上がってきた人たちの列が見えます。こちらは恐ろしいほど混んでいます。

シモフリ新道はは比較的マイナーなルートなため、歩いている人はまばらですが、ビジターセンターからルートはご覧の通りものすごい渋滞ぶりです。

シモフリ新道から一切経山の山頂に抜けるポイントは、一切経山山頂付近の『空気大感謝塔』の目の前にルートが切られています。

このロープをまたいで山頂へ!

以前来た時は山頂付近にあるロープを越えて一切経山に登頂しましたが、近くを歩いている人からは(こいつらは一体どこから来たんだ?)と言う奇異の目で見られました笑

他の方の参考記録を確認してみても、ロープをまたぐのが正しいルートっぽいです。逆から来るとわかりにくいので、やはり時計回り周回が正解だと思います。

  • 一切経山(1949m)到着!
空気大感謝塔。
標高1949m。

一切経山からは五色沼が見渡せ、左奥には家形山も見えます。

山頂付近は風除けのない吹きさらしで、人でごった返しています。多くの人がここで大休止をしていますが、写真を撮り終わったら、目の前に見える「家形山」の山頂で休憩するのがお勧めです。

インスタグラム上の魔女の瞳。
リアルの魔女の瞳。

※ちなみに五色沼から家形山付近は熊生息地ですので熊鈴などの装備が必要です。

家型山へは魔女の瞳の東側(左側)のザレ場を降りて行きます。このザレ場は砂が非常に細かく、スリップしやすいのでゆっくり慎重に降りましょう。

斜面の途中にある大きな一枚岩も映えスポットとして優秀です。風がなく時はマットを敷いてここで休憩するのもいいかもしれません。

ここも結構写真を撮りたがる人が多いスポットですので譲り合っていきましょう。

ザレ場を下りるとガレ場から土の登山道、木道へと道が変化していきます。木道までくればボトムはもうすぐそこです。

斜面を下り切ると湖畔のいい感じの平原に至ります。

ここも「何とか平」とか名付けられててもいいような雰囲気ですが、調べた限りでは名前は見つけられませんでした。

魔女の瞳のほとりに生えている木は厳しい環境のためか斜めに生えています。

風と雪の重みでこんな感じになるんですかね?

魔女の瞳のすぐそばを横切り家形山へ向かいます。

原っぱの西側には何やら石碑が立っていますが、これは「福島女子師範生遭難碑」です。

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福島県女子師範学校遭難事故で亡くなった4名の死を悼んで建てられた石碑です。

大正15年に集団登山的行事で登山中の福島県女子師範学校(現福島大学)の教員生徒ら145人がこの付近で悪天候に巻き込まれて遭難。うち4人が死亡したって事故です。

この事故のWikipedia記事は遭難時の対応や、事前に備えることの重要性を理解する上で一読の価値があります。

家型山へはこの分岐を左に曲がります。

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少し手前にあるこのテープからも家形山への踏み跡になっているが、あと数メートル行くと上の写真の案内が立っている。

それほど危険箇所はありませんが、結構ザレていますので、急登と相まって滑ります。特に山頂付近はゆっくり気をつけて進んでください。

家形山山頂直下の岩場。

山頂付近は西から北側が林で守られているため、一切経山が強風で過酷な状態でも、こちらは意外と快適なことが多いです。

2023年時はこんな感じの静かな山頂でした。
一切経山山頂。めっちゃ人がいる。

複数のパーティーが休憩できる程度のスペースがありますので、ここで魔女の瞳と一切経山を見ながら休憩するのがお勧めです。

ここはタイムラプスのオススメスポット。

ちなみに、家型山の山名板は、西側の林に5mほど入った林の中にありますので、山名板をコンプリートしたい人はチェックしてみてください。

家型山からの下りは、上りよりも滑りやすいので注意しておりましょう。

帰り道は「高湯温泉」方面へ

下山は、魔女の瞳を北側へ回り込み、慶応東山荘と途中にある山小屋(慶應吾妻山荘)に寄ってコーヒーや紅茶をいただいて帰るプランがお勧めなんですが、初めて来た時は、慶応東山荘への分岐がわからず、こちらの岩場周辺で分岐を探してしまいました。

  • 道迷いポイントその②

魔女の瞳を北側に回り込むと、慶應吾妻山荘への分岐があります。ここが少しわかりにくいです。

慶應吾妻山荘への分岐がちょっとわかりにくい

一切経山と魔女の瞳はここで見納めにになりますので、少し先の岩場で写真撮影するのも良いでしょう。

一切経山と魔女の瞳はここで見納め。

正しいルートは、この岩場に登りきる前に左に曲がるルートが正解です

ここからは緩い下りが続きます。山は帰りの方が怪我をしやすいので気を引き締めて山小屋へ向かいましょう。

途中の『大根森』という広場からは山形側の山々が見えます。

慶応吾妻山荘へは家形山分岐を東へ進み、灌木の斜面を少し下ったところに案内板があります。

東山荘への途中へはこんな案内板もある。

これで慶應って読むんだ。面白い。

案内板から5分ほどで赤い三角屋根の吾妻山荘に到着です。

東山荘ではおいしいコーヒー、もしくは紅茶がいただけます。

フレンチプレス式のコーヒー・または紅茶がいただけます。コーヒーはオイル分も抽出されてコクがあり、ジャズが流れる雰囲気とも相まって、山の中にいるのを一瞬忘れさせてくれるクオリティーでした。

しかし、山小屋で飲むコーヒーってなんでこんなにおいしいんでしょうね?笑

柿の種チョコとチョコはサービスで頂きました。

コーヒーと共にチョコなどのお菓子も給されますが、余裕があったらタッパーにシフォンケーキなどのスイーツを持っていってもいいかもしれませんね。

吾妻山荘の2階も拝見させていただきました。宿泊に際しては予約が必要との事でしたが、30人弱程度のキャパがあり、この日にも予約が入っているとの事でした。

外には水場があり、水の補給もできます。湧水ですかね?普通においしかったです。

ドバドバ出てます。

吾妻山荘を後にしたら後は下山するのみです。

樹林帯のゆるい下り坂をずんずん進んでいきます。

ここの下り、斜面は歩きやすくて、あっという間に下山できます。吾妻山荘で水分とカフェインが補給できたせいもあるんですかね笑?

途中、こんなハシゴ橋をわたる。

友人と「高速道路みたいだね」と談笑しながら歩くこと約30分。あっという間に賽の河原に到着。ここまで来たら、不動産登山口はすぐそこです。

帰りもぬかるんでいるところがありますので、最後まで気を抜かずに下山しましょう。

下山途中の紅葉。

無事下山!

下山時点でも紅葉時期は駐車場が混み合っていますので、他の車にも注意が必要です。

帰ってきたときもこの混み具合。

トイレやつばくろ橋を見渡せる展望台がありますので、ストレッチがてら周位を散策してから下山しました。

つばくろ橋。ここも紅葉の名所。

下山後のお楽しみ

ちなみに磐梯吾妻は温泉だらけです!

帰りはぜひ温泉に立ち寄ってから帰りましょう。早い時間に下山できたのであれば、安達屋がオススメですが、今は(2024/10月)名物の大露天風呂『大気の湯』が改修中なんですよね。その他にもあったか湯(まさかの250円)や玉子湯など周辺には天田の温泉がありますので、事前に軽く調べてから行くと良い締めくくりができると思います!

追記(2024/11/09)

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