私は、登山の際にニトリの真空断熱ボトル「HEATEX(ヒーテックス)」を愛用しています(現在は『N-ヒーテックス』に更新)。この製品は超絶コスパにの優秀製品ですので私の使用方法と共にご紹介していきたいと思います。
N‐HEATEX(ヒーテックス)スペック
容量:500mL・700mL・900mLの3サイズ
重量:約380g・約470g・約500g(外蓋、シリコンカバーを外して415g)。
私が使用している旧製品は約450gとの表記でした。
色々外した結果、393gで運用しています。
外蓋も外せば341gになるんですが、基本付けたまま使用しています。外蓋がコップになって便利ですし、あったほうが断熱性能も高そうですしね。
オススメサイズは?
3サイズありますが、私が使用しているのは容量900mL。購入を考えている皆さんにも圧倒的に900mLをオススメしておきます。
その理由は2つ。「圧倒的な断熱性能(冷めにくさ)」と「2人用にちょうどいい湯量」の2点です。以下に詳しく説明していきます。
まずは断熱性能からご紹介
まず初めに保温ボトルとしての基本性能からみていきましょう。
この製品の対抗になる製品はmont-bellの 『アルパインサーモボトル』とサーモスの『山専ボトル』になるでしょう。とりあえず一覧表をつくってみたので以下をご参照ください。
保温ボトル比較表 | ||||
容量 | すべて同容量(0.9L)での比較 | |||
メーカー | NITORI | NITORI | mont-bell | THERMOS |
製品名 | N-HEATEX | (旧)HEATEX | アルパイン サーモボトル | 山専ボトル |
重量 | 約500g ※色々外せば415g | 450g ※色々外せば393g | 354g | 360g |
保温効力※ | 90℃以上 | 86℃以上 | 81℃以上 | 80℃以上 |
保冷効力※ | 5℃以下 | 6℃以下 | 7℃以下 | 9℃以下 |
価格 (税込) | ¥3,490 | 当時¥2,990 | ¥5,720 | ¥7,150 |
直径×高さ(cm) | Φ8.5×31.5 | Φ8.5×31.5 | Φ7.6 x 29.1 | Φ8×30 |
※保温効力・保冷効力と表記がありますが、これは家庭用品品質表示法に基づき、携帯用魔法瓶の性能について事業者が表示すべき事項の一つです。詳しくはこのページを見てください。すご~く乱暴に要約すると「ほぼ沸騰したお湯を入れて6時間後にこれくらいの温度になってますよ!」ってことです。
見ての通り、HEATEX(ヒーテックス)の断熱性能は現状世界トップレベルです。てか、調べた限り保温効力が90℃以上は現状N-HEATEXのみですね。
N-HEATEXは保温能力も保冷能力も登山向けに作られた競合他社の製品より格上の性能を有しているのがお分かりになるかと思います。それでいて値段は最安。なんなら山専ボトルを購入する金額でヒーテックスなら2本も購入できてしまいます(2本も要らんけど笑)。
私が使っている旧ヒーテックスは重量395gと最重量級ではありますが、最軽量のアルパインサーモボトルと比べても26g程度の差しかなく、はっきり言って『誤差の範囲』です。
新しい方の『N-HEATEX』は中蓋に真空断熱中蓋を採用したせいか少し重量が増えた替わりに、性能を大幅に向上させています。これにしても最軽量のアルパインサーモボトルとの差は61g。ヤクルト1本が約70gですから、それよりも軽いですね。これも人によるでしょうが、『ほぼ誤差の範囲』と言っても過言では無いでしょう。
私が900mLをオススメする理由第一は保温力の面で優秀だからです。
以下の表は『N-ヒーテックス』のサイトから拝借したものになりますが、保温効力は実容量に比例して徐々に冷めにくくなっています。保温効力が90℃以上なのは0.9Lのみであることがお分かりいただけると思います。
以上の理由から、今後山用の保温ボトルを購入しようとしている場合、圧倒的にN‐ヒーテックスの900mlがオススメになります。
2人用に丁度いいとは?真空断熱ボトルの活用方法
「900mlって大きくない?」と思った方。はい、正解です。ソロで使う場合には少し大きいです。こいつの真価が発揮されるのは2人登山の時です。
少し計算していきましょう。
私が日帰り登山で使用するお湯の量は400ml前後です。内訳は、パスタを茹でるのに230ml程度、またはカレー飯でも230ml程度。さらに コーヒーを淹れるのに180〜200ml。計410〜430ml/人で賄える計算です。つまり2人登山で使用するお湯の量はおおよそ820~860ml。
そのため、900mlの真空断熱ボトルでお湯を持っていけば、ちょうど2人分のお湯を賄える計算になります。
また、屋外でカレーメシを食べる場合の手順を考えてみましょう。
①バーナーを出してOD缶と繋ぐ。
②水筒からクッカーへ水を注ぐ。
③バーナーに点火する。
④クッカーを火にかける。
⑤カレーメシを開けて待つ。
⑥お湯が沸いたらクッカーのお湯をカレー飯に注ぐ。
といった手順かと思いますが、真空断熱ボトルでお湯を持っていく場合、
①カレーメシを開ける。
②ボトルのお湯を注ぐ。
以上2工程で終了です。かなり楽そうですよね?
登山中は平坦な地面はほぼありません。ガレ場などの不安定な場所ですとお湯を沸かしたり、カレー飯にお湯を注ぐなどの行為が意外とやりにくいんですよね。風が強い場合なんかはなかなかお湯が沸かないなんて事もあるあるでしょう。
そんな時も真空断熱ボトルでお湯を持っていくことで屋外でスムーズに食事する事ができるんです。特に登山を始めたばかりの初心者を山に連れて行った時。そう、接待登山時に絶大な効果を発揮します。
同伴者がカップラーメンなどの「お湯を多めに使う麺類」を持ってきた場合でもお湯を沸かす時間を短縮でき、効率的に活動することができるため、時間短縮の意味でもオススメのアイテムとなります。
パスタを茹でる場合なんかは、パスタの茹で汁を山に捨てられませんので、沸騰させてお湯を飛ばすためのバーナーが必要になりますが、「今日はカレーメシ食べる!」と決めている場合にはバーナーすら不要になりますので軽量化にも寄与します。と、このように2人分のお湯がすぐに使える状態で持ち運べるというのは存外に便利なものです。
メリット
- chill outできる時間の最大化
水からお湯を沸かすと結構時間がかかります。屋外では風の影響を大きく受けるので、強風時には更に時間がかかった経験を持つ方も多いと思います。
保温ボトルを使用すれば熱いお湯を持ち歩けるため、湯沸かし時間を大幅に短縮できます。また、パスタを茹でる場合なども待ち時間なく茹で始められ、行動時間の短縮につながります。素早く食事ができるということは、山の上で満腹状態でリラックスしてダラダラ過ごす時間を増やせる、ということです。これが一番のメリットでしょう。
軽量化できる
真空談熱ボトルを持っていくことで、バーナーと燃料、湯沸かし用のコッヘルを持っていく必要がなくなり、軽量化につながります。私はいつでもバーナーも持って行ってますのでこの点はあてはまりませんが笑。
やはり、効率よく行動できる→山での時間を最大限有効に使える。というメリットが一番ですね
- どこでも熱湯が使える
筑波山など「火を使っていい時間とスペースが決まっている」ような山域では、途中の東屋のように「お!ここ休憩にちょうどいいやん!」ってスペースがあっても火を使って温かいものを作ることができません。そんな場所でも温かいカップ麺やコーヒーなどでひと休みすることができ、行動中の選択肢が増えます。
- 行動中に暖かいものが飲める。
雪山や、高所の寒い環境での行動中に素早く温かい飲み物を飲む事ができます。
ただし、まま「熱すぎる」ことがあるので一口目は注意して口を付けるようにしましょう笑。
- トランギアケトル(0.9L)と相性抜群!
以前記事にした、私が愛用しているトランギアのケトルTR-324と相性抜群で、900mlが一気に再沸騰させられます。どちらも900ml容量なので当たり前ですね笑。
ケトルは「お湯を沸かして注ぐ」という性能に特化しているため、屋外での食事にとても役立ちます。
エバニューのハンドルレススタイルとかも「ストイックでカッコいい」感はあるんですが、はっきり言って「ちょい危ない」んですよね(私がやると)。性格的にがさつなのでこぼしたり・ひっくり返したりとかのリスクを考えるとケトルの安定感・安心感は絶大です。ストレス無く調理したいので現状この組み合わせは満足しています。
- 安い!
ヒーテックスは以上に述べてきたように圧倒的な性能を有しながら税込み3,490円!特筆すべきは昨今のインフレ下において(2024/06/24に)12%以上の値下げを断行し改定前3,990円→3490円となんと500円の値下げをおこなっています!すごいぞニトリ!
対してmont-bellアルパインサーモボトルは5,720円、サーモスの山専ボトルは7,150円なので、比較的価格に近いモンベルに対しては2,230円、山専ボトルに対してはなんと3,660円もの価格差があり、山専ボトルに至っては「もう一個買ってもお釣りが来る」値段になっています。これはもう買うしか無い(一切スポンサードは受けておりません笑)!
デメリット
- 他社製品と比べ少し重い
重量は公式で約500g。私の持っている旧品は実測で393gですが、これは蓋のリングとボトル下部の滑り止めリングを外した状態になります。私は両方とも外して運用しています(というか購入してすぐ外してそのまま使用している)。
先に比較したmont-bellアルパイン サーモボトルの重量が354g、サーモスの山専ボトルが360g(リング・カバー外して)なので、最軽量のアルパインサーモボトルと比べておよそ39g重い計算です。まー、実感できる重量差ではないですね笑。
新しい方のN-HEATEXは先に述べたように少し重量増してますが、これにしてもアルパインサーモボトルとの差は61g。ヤクルト1本(約70g)未満の差なので『ほぼ誤差の範囲』でしょう。
- 威張りが効かない、映え要素薄い
どうでもいいとこですが、人によっては気になるところでしょう。
mont-bellやサーモスなどのビッグネームと比較するとネームバリューが弱い感は否めませんが、私なんかは逆に「お、分かってる人だ!」と感じます笑。
- 保温力高すぎィ!
これは使いようですが、コーヒーや紅茶を入れていこうものなら現場では「飲めないくらいに熱いィ!」となります。てかなりました笑。断熱性に極振りした製品なので基本的にお湯を入れる使用方法がオススメです。
ソロの際は350mlのボトルを使用
ソロでの登山時やテント泊登山、雪山登山の際は、軽量性の面からサーモスの保温ボトル(350ml)を使用しています。こいつは重量163gで持ち運びに便利な超軽量ボトルです。
こちらは以前通勤用に使用していたもので、初めは黒く塗装されていましたが、使用に伴い塗装が剥げてきましたので、塗装を剥がしてステンレス素地で使用しています。
ワンタッチタイプの飲み口が付いていますが、ロック機構もあって不意に空いてしまう危険性がありません。ここはザックの中で蓋が開いて大惨事になる危険性を下げる為にも必ずロック機構が付いているものを選ぶのが良いと思います。
最近の軽量真空断熱ボトルというと、タイガーの『夢重量』が有名ですが、これは公称重量170gでまー、ここら辺はもう「そうそう進化しない製品なんだろうなー」感がありますね。
まとめ
てことで私のオススメ真空断熱ボトルとその使用方法についてのご紹介でした。
娘との登山や、山に不慣れな友人を山に誘う際(自称『接待登山』時)にとても有効な手段として活用しています。山でのChillタイムを最大化するためにこんな方法もあるって一例でしたので、興味の有る方はやってみて下さい!
追記
ちなみに、「N-ヒーテックス、性能いいんだけど少し重いんだよな〜」っていう軽量性重視の人にはアトラスのTEMPEAK(テンピーク)という製品が旧ヒーテックスのOEM製品になります。
こちらの商品には本家には無い1200mlという容量サイズがあるんですが、取っ手がついてしまいパッキングがしにくくなりそうなのが残念。こちらの900mlの商品は¥2,980(税込)とN-ヒーテックスと同様の値段。
少し前まではN-ヒーテックスが¥3,990(税込)でしたので、アトラスの方がコスパ良いかも!とか思っていたんですが、まさかの本家の方の値下げで訴求力が下がってしまいましたね。しかしこの時期によく値下げしたなー。すごいぞNITORI(2回目)!
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