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初心者を登山に連れて行く際の指標について

登山
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登山初心者を山に連れて行く際、どんなレベルの山に連れて行けば適切なのか悩んだ経験はありませんか?私はあります。

行くルートが分かっていても、初心者にとってどの程度の難易度がちょうど良いのか、客観的に推し量る事はなかなか難しいです。

毎週のように山に登っていると、いつの間にやら体力モンスターになってしまいます。そうすると、山を登ったことのない人に「あの山はキツかった」と言われてしまうことがありました。

山好きドM野郎の「キツかった」とは重みの違う、ガチめの「キツかった」です。山を楽しんでもらおうと一生懸命考えた結果、提供できたものが「辛かった思い出」では本末転倒ですので、なにか客観的な指標は無いかと探していたところ、ヒットしたのがこの「コース定数」です。

コース定数とは?

コース定数とは鹿屋体育大学の山本教授(東大体育学科出身)が提唱している、「登山コースの体力度を、方程式を用いて科学的な数値で示した客観的な指数」で、以下の計算式で求めることができます。

https://3pomichi.com/1256 
鹿屋体育大学教授 山本正嘉さん|登山の当たり前を科学的なデータで示すのが僕の使命

これによって、1~100程度の数値が導かれますが、1日あたりのコース定数の目安はおおむね下記のようになっています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: kf_oG0wUJuufPPyqEGSuDQzbCMqWYjqvlSDbby0SUKIsC0RMdGAolOnAOUkWoDNzkyf8KEgJPI_2ETNbl96Nbw-hMeGlM1l-gjk4T-useYV3HA4l77okd6fQ-m9AYaGAqcA_qCuO_FX5bMPqg49jyWo

https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=363  
「歩行時間」「総距離」「累積標高差」から算出される指標『コース定数』で、登山コースの体力的難度を把握しよう

上記の指数を参考に、

日頃全く運動をしていない友人には10前後のハイキングを、

日常的に運動をしている活動的な友人には20前後の登山を、という具合にコース設定をする際の目安にしています。

このサイトまでたどりついた奇特な皆様におかれましては是非自分の好きな山域の好きなコースを調べてみて下さい。

ちなみに私の好きなコースは大体23前後という数値が出ました。つまり、「山やってる人にはちょうどよい長さだけど、登山初心者にはきつそうだな」という数値です。良い山域でも、景色が良くても初心者には向かない難易度かどうか推し量る上での参考になると思います。

また、YAMAPではこのコース定数によって体力度を5段階に分類し、コースの踏破に必要な体力の指標としているようです。

ちなみに自分の日帰りでのコース定数最大値は皇海山クラシックルートの「58」でした。確かに納得の辛さ!

計算面倒じゃね?

正直この計算は結構面倒ですので、私はいつも「山と溪谷」のホームページに実装されている登山マネージャー「ヤマタイム」を使用して山行計画を立てています。

ヤマタイムでは選択したルートからルート定数を自動計算で算出してくれますので、面倒くさがり屋の自分はとても助けられています。

また、上記の「歩行時間」「総距離」「累積標高差(上り・下り)」が分かれば、カシオ計算機の運営する高度計算サイトでも計算することができます。

活用方法

自分の振り返りに

  • 自分が行ったことのある山に関して「辛かった」「楽だった」等の感覚的な指標ではなく、客観的な目線から登山難易度について振り返ることができます。これにより、自分の体力に関して考察することが可能です。

登山計画の際の参考値に

  • 友人の体力度に合わせて山域やコースを決めていますが、「辛かった」や「まだまだ動ける」など、山行後の友人の感想をもとにし、キツそうだったら次回は易しく、楽そうにしてたら次回は少し難易度を上げるなどの調整を客観的に行えるようになります。
  • また、友人各々についておおよその体力を推し量る指標にでき、コース定数を提示することにより、プランを提案する際の目安にもできます。例えば、友人を一切経山に連れて行った際のプランですが、浄土平ビジターセンターから一切経山経由で家形山からのピストンルートのコース定数は「17」でした。

友人的には「ちょうどよかった」との感想が得られましたので、次回は少し数字を上げ、20前後のルートにしようと予定し、コース定数「21」の日光白根山から五色沼を周って帰るルートを選定し「丁度良かった。これ以上きついとまだ難しいかもだけど」との評価をもらう事ができました。

最近では、「今回のルートのコース定数はいくつなの?」と山行時に友人が確認してくれるようになってきました。

このように、コース定数は山行ルートを指数化することで、自分の主観的な感覚でなく、客観的に山行を想定することができたり、仲間と情報を共有することもできます。ぜひ山行計画を立てる際の参考にしてみて下さい。

備考 ー使用上の注意ー

気をつけなければいけないのは、コース定数はあくまでも移動距離と標高差をもとにした指標であり、コース状況を考慮していないと言う点です。例えば岩場、ガレ場、ザレ場、泥濘、渡渉(川)などのコースの状況や、登山道の整備のされ具合によっても山行の難易度は変わってくると思いますが、それらの点は考慮されていませんので、別途下調べが必要だと思います。また、毎回書いていますが登山は危険を伴うレジャーですので、全て自己責任で行う必要があります。このサイトの情報を鵜呑みにせず、様々な情報収集をおこなって万全の状態で登山に臨むようにしましょう。

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